ポストシーズン、ファンを大いに沸かせた3人の日本人選手
アストロズの球団史上初となるワールドシリーズ制覇で幕を閉じた2017年のMLB。ポストシーズンでは日本人投手が活躍を見せ、ファンを大いに沸かせた。本稿では、今季のポストシーズンに出場した3人の日本人選手を振り返っていきたい。
※以下のデータは、すべてポストシーズンを含む
田中将大(ヤンキース)は、MLBの日本人投手としては初のデビューから4年連続2ケタ勝利を達成。ポストシーズンでは3試合の先発で防御率0.90と、やや安定感を欠いたレギュラーシーズンを払しょくするようなピッチングを披露した。
NPB時代の決め球といえばスプリットだったが、渡米後は年々スライダーの投球割合が増えており、しかも今季は低めへの制球がさえていた。ポストシーズンでの好投も、この低めのスライダーを振らせたことによるものが大きい。
2009年以来、28度目となるヤンキースのワールドシリーズ制覇に向け、来季は開幕から飛ばしたい。
※球速の単位はkm/h
MLB在籍2年目となった前田健太(ドジャース)は、13勝をマークしたものの防御率4.22と苦戦した。調整の意味合いもあって、プロ入り後初めてリリーフを経験。ポストシーズンでもこの慣れないポジションを任されたが、9試合の登板で防御率0.84と抜群の結果を残した。
この活躍の要因に挙げられるのが、球速の上昇だろう。ポストシーズンはレギュラーシーズンと比較して、ほとんどの球種で3キロ以上スピードアップしていた。
来季は再び先発で起用される予定だが、大舞台のリリーフ経験がどう生かされるか、今後の投球に注目だ。
※ドジャース移籍後を対象
シーズン途中のトレードでレンジャーズからドジャースへ移籍したダルビッシュ有。一時サイド気味にフォームを変えるなど、試行錯誤の1年となった。
特にドジャース移籍後は左打者に苦しみ、移籍後から9月9日の登板までで被打率.397と打ち込まれていた。そんな中、9月14日以降は対左打者の投球の52%をカットボールにするなど、配球を大幅に変更。被打率も1割台まで改善させ、調整力の高さを示した格好だ。
今オフのFA先発投手で1、2を争う評価を得ているダルビッシュ。複数の有力チームが移籍先の候補として報じられている。ダルビッシュが選ぶ新天地は、どの球団になるだろうか。
企画、監修:データスタジアム