MLBドラフトの指名対象選手
MLBドラフト会議の指名対象選手は、ドラフト会議が実施される当年に、アメリカ・カナダ・プエルトリコに居住する者であり、当該3か国の高校、大学、コミュニティ・カレッジ、短大、独立リーグに所属している選手が対象になる。
したがって日本人であっても、これらの条件を満たす場合には、MLBドラフト対象選手となる。ただし、過去にMLB球団に在籍したことがあったり、日本のドラフトの対象になっている選手は対象外、ということになる。
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MLB2013年ドラフト会議で、加藤豪将選手がニューヨーク・ヤンキースから2位指名(全体では66位)を受けた際、日本では大きなニュースになった。 ドラフト制度上、どうすれば日本人は指名される可能性があるのか、過去の指名選手にはどんな選手がいるのかを見てみよう。
MLBドラフト会議の指名対象選手は、ドラフト会議が実施される当年に、アメリカ・カナダ・プエルトリコに居住する者であり、当該3か国の高校、大学、コミュニティ・カレッジ、短大、独立リーグに所属している選手が対象になる。
したがって日本人であっても、これらの条件を満たす場合には、MLBドラフト対象選手となる。ただし、過去にMLB球団に在籍したことがあったり、日本のドラフトの対象になっている選手は対象外、ということになる。
上記の条件からすると、日本の高校生・大学生・社会人については、MLBのドラフトで指名対象になることはないといえるだろう。
もっとも、MLB球団は日本人の有望な若手選手の発掘に、常に目を光らせており、実際に日本のドラフト対象選手に接触することも、よく見られるようになってきた。
菊池雄星投手(現・埼玉西武ライオンズ)や大谷翔平投手(現・北海道日本ハムファイターズ)のように、高校野球からプロ野球を経ずに「MLBに挑戦したい」と口にする選手が増えてきているのもその表れといえるだろう。
そうしたMLBの世界戦略の中で発生したのが、いわゆる田澤問題だ。日本プロ野球とMLBには、互いのドラフト候補選手に対しては接触をしない、という紳士協定があった。
しかし、2008年のドラフト上位候補として名を馳せていた田澤純一投手(当時日本石油ENEOS)は日本プロ野球ではなく、直接MLBへの挑戦を表明し、日本のプロ野球各球団に指名を見送るよう通達したのだ。
その結果、日本プロ野球球団は田澤投手の指名を見送り、田澤投手はMLBのドラフトではなく、MLBにおけるFA選手として、MLB契約に至り、現在も活躍している。
田澤問題により、日本プロ野球も規約の改定に動き「日本プロ野球からの指名を拒否し、MLBと契約した場合、当該選手は当該球団退団後も一定期間は、日本プロ野球と契約はできない」というルールを定めるに至った。
では、MLBドラフトで指名を受けた日本人選手はどれほどいるのだろうか。
2002年のMLBドラフトでは坂本充選手、2008年では鷲谷修也選手と藤谷修平投手、2013年では加藤豪将選手と、今までに4人の日本人選手が指名を受けている。
残念ながら現段階で、MLB昇格を果たしている選手はいない。
後に藤谷投手は、日本プロ野球ドラフトで千葉ロッテマリーンズから指名を受け、逆輸入右腕として話題になった。
現在、MLBドラフトで指名され、MLBを目指している日本人選手は、ニューヨーク・ヤンキースの加藤豪将選手だ。
加藤選手は、今までの日本人選手の中で最高位(ヤンキース2位、全体66位)で指名されており、デリック・ジーター選手の後釜と評価もされた選手だ。
ルーキーリーグでは結果を残し、ベストナイン等も受賞しているものの、A級以上ではなな結果が出ない状況だ。だが、まだ22歳と若く、今後の活躍が期待されるだろう。
現在のMLBドラフト制度上、高校野球選手が指名されることは難しいだろう。 加藤選手の成長に期待しつつ、近い将来は日本の高校野球選手の中から指名されることも期待し、ワクワクしながらMLBドラフトの楽しみ方といえるだろう。