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【詳細解説!】セントルイス・カージナルスの2016-2017年

2017 1/25 10:28
メジャーリーグ
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Photo by Aspen Photo/Shutterstock.com

アメリカが誇る4大プロスポーツの1つ、メジャーリーグ。 アメリカ全土にある30チームが、栄冠を目指して毎年4月から10月にかけて熱戦を繰り広げます。 本稿では、かつて田口壮氏も所属したセントルイス・カージナルスの今シーズンの結果、および来シーズンの展望について解説します。

1882年に誕生した歴史あるチーム

セントルイス・カージナルスは、アメリカ中西部、ミズーリ州セントルイスを本拠地とするプロ野球チームです。1882年に誕生した歴史のあるチームで、ワールドシリーズ優勝回数は11回。これはニューヨーク・ヤンキースと並び最多を誇ります。
シカゴ・カブスとライバル関係にありますが、古豪同士の両チーム、これまでの対戦回数は2000回を超えるとも言われています。チームロゴに鳥があしらわれていることで有名ですが、これは、Cardinalisがミズーリ州のシンボルである「ショウジョウコウカンチョウ」であることに由来しています。

選手育成を重視、ローコストのロースターを形成

カージナルスはメジャーリーグ屈指の健全経営チームと言われています。この背景には、「即戦力よりは選手育成を重視する」というチームの基本方針があります。「期待の星」を期待したままで終わらせるのではなく、きちんと才能を開花させることに注力しています。
傘下のマイナーチームを含めて優れたコーチングスタッフを揃え、メジャーに吸い上げる仕組みが完成していることで、大枚をはたいて即戦力を買い続ける必要はなく、メジャーリーグ屈指のローコストながらハイクオリティなロースターを形成しているのです。

若きエースが台頭、元阪神のあの選手も守護神として活躍

今季はナショナルリーグ中地区で2位。プレーオフ進出はなりませんでしたが、2013年から3シーズン連続で地区優勝を果たし、安定した戦力は健在で、来季に向けた視界も良好です。
投手陣ではドミニカ出身の25歳、カルロス・マルティネス投手が16勝を挙げました。前年の14勝からさらに成績アップを果たし、若きエースは来季もチームの勝ち頭となることが予想されます。
また、今シーズンから日本でもおなじみ、元阪神の呉昇桓投手が入団しました。クローザーとしてチーム最多の76試合に登板し、防御率は1.92・30セーブを挙げて、1年目とは思えないほどの大ブレイク。契約延長条件をクリアし、マイク・マシーニー監督も来季に向けた貴重な戦力として期待を寄せています。

チーム本塁打数はリーグトップ、25歳の2人の主砲に注目

今季のチーム本塁打数は225本、これは両リーグ通じてトップという立派なものです。30本のホームランを放ったジェド・ジャーコ選手を筆頭に、20本以上のホームランバッターが5人、ホームランを打たなかった選手の方が少なかったほどでした。
来季も注目すべきは、マット・カーペンター選手とランダール・グリチェック選手の2人。ともにカージナルスの生え抜き選手であり、今季はカーペンター選手が21本塁打、グリチェック選手が24本塁打を放ちました。25歳という若さもあって、さらなる伸びしろを感じさせる存在です。

2017年に向けて気になる戦力補強

毎年の戦力が、育成のみで成り立っているわけではありません。ストーブリーグでも堅実な選手を補強してくるのがカージナルスの特徴です。
今オフは、永遠のライバルであるシカゴ・カブスからデクスター・ファウラー選手を補強しました。リードオフマンとしてカブスの108年ぶりの戴冠に貢献したこの31歳の加入で、ホームラン偏重だった打線に機動力を上乗せすることが可能に。高い守備力も魅力のひとつで、ライトを守るグリチェック選手とレフトを守るピスコティー選手にとっても頼もしい存在となりそうです。

まとめ

ローコスト&ハイクオリティな戦力で勝ち星を重ね、多くのファンがブッシュスタジアムIIIに足を運んでいます。 ゆえに観客動員数も常に右肩上がりで、メジャーリーグトップクラスを誇ります。 ニューヨーク・ヤンキースのような知名度はないものの、国内での人気・実績は確かなもの。 そんなカージナルスの来シーズンに注目したいところです。