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「リアル二刀流」大谷翔平、打球速度と球速に見る今季の可能性

2021 4/8 06:00田村崇仁
大谷翔平Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

「2番・投手」は118年ぶりの快挙

米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平が4月4日、さらなる進化を遂げた「リアル二刀流」として歴史的な一歩を踏み出した。

アナハイムの本拠地エンゼルスタジアムで行われたホワイトソックス戦に「2番・投手」で先発。指名打者を解除して投打で同時出場するのは、日本ハム時代に経験しているが、メジャー公式戦では4年目で初めてだ。

大リーグ公式サイトによると、ア・リーグでDH制が導入された1973年以来、投手がDH解除で出場するのは史上3人目。2番・投手の先発出場は1903年のジャック・ダンリービー投手(カージナルス)以来、実に118年ぶりの快挙となった。

今季メジャー先発投手最速の投球&最速の打球

「SHO TIME」に序盤から全米のファンはくぎ付けになった。

大谷は一回に右中間スタンドへ先制の特大2号ソロを放ち、MLBのデータ解析システム「スタットキャスト」によると、本塁打の飛距離451フィート(約137.5メートル)、打球速度115.2マイル(約185.4キロ)と驚異的な数字をマーク。投手では球速約101マイル(約163キロ)を出すなど四回まで無失点と好投した。

MLB公式サイトによると、同一試合で球速100マイル&打球初速110マイルを記録したのは史上初。しかも今季のメジャー先発投手では最速の投球で、打球速度は野手を含めても今季の本塁打で最速という。92球のうち、100マイル(約161キロ)を9度も計測した。

シーズン開幕早々ながら、大谷が投打の両方で見せた驚異的な数字は今季のさらなる飛躍の可能性を予感させる。四回まで三塁を踏ませず、6奪三振。五回に3失点で負傷降板し、3年ぶりの勝利はならなかったが、歴史的な「リアル二刀流」の衝撃は全米で話題を呼んだ。

通算本塁打は松井秀喜、イチローに次ぐ日本選手歴代3位に浮上

大谷は4年目でメジャー通算49本塁打とし、城島健司(元マリナーズ)の48本を抜き、日本選手歴代単独3位に浮上した。

1位は松井秀喜の175本、2位はイチローの117本。まだ両巨頭の数字に追いつくまでは長い道のりだが、日本時代の通算48本塁打を1本上回り、日米合計97本となった。

MLB公式サイトによると、ヤンキースのエース右腕ゲリット・コールは「とてつもない才能。自分はショウヘイ・オオタニの大ファンだ」と驚きのコメント。レッドソックスの主砲マルティネスは「あんなに強い打球を打つ選手は他にいるか。その上、100マイルの球を投げるのだからクレイジーだ」と称賛した。

ルース以来の「2桁勝利、2桁本塁打」へ

メジャーの長い歴史でも同一シーズンで「2桁勝利、2桁本塁打」を達成したのは、1918年の元祖「二刀流」ベーブ・ルースただ1人。大谷にはそれ以来の快挙が懸かる。

今年はオープン戦序盤から好結果を出し、3月21日には「1番・投手」でメジャー移籍後初めて投打で同時出場。球速は早くも渡米後自己最速の101.9マイル(約164キロ)に達している。

右肘手術から2季ぶりに投手復帰した昨季は2試合の登板のみ。投手の出来が二刀流復活のポイントになるだけに、力強い速球と鋭い変化球が戻ってきた復調の兆しは心強い。

昨季打率1割9分だった打撃は、キャンプで左の軸足に重心を乗せるフォームを意識し、確実性が高まっている。手術を受けた左膝への懸念が消え、得意の逆方向だけでなく、力強く引っ張る打球でも本塁打を含む安打を量産した。

記録ずくめとなった「リアル二刀流」の歴史的な夜、エンゼルスのマドン監督は「あれが完璧な野球選手だ」と投打の「二刀流」でのプレーを絶賛した。プロ野球日本ハム時代は4年目に10勝、22本塁打で二刀流が一つの完成形をみた。メジャー4年目、進化した「リアル二刀流」の再現に注目が集まる。

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