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健大高崎、山梨学院、東海大相模など高校野球の強豪ひしめく関東の注目校

2020 3/9 17:00山浦和樹
イメージ画像ⒸYoshitaka Okino/Shutterstock.com
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ⒸYoshitaka Okino/Shutterstock.com

2011年以降、夏の甲子園制覇は大阪勢と関東勢のみ

高校野球の実力校が多い関東地方。2011年以降、夏の甲子園の優勝校は大阪桐蔭が3度、履正社が1度と大阪代表が4度頂点に立っており、それ以外は日大三(西東京)、前橋育英(群馬)、東海大相模(神奈川)、作新学院(栃木)、花咲徳栄(埼玉)と関東勢が占めている。つまり、現在の高校球界の勢力図は、大阪と関東の二極化していると言える。

今回は関東勢の中でも、注目度の高い5校を紹介する。

新生「機動破壊」で頂点狙う健大高崎

高校野球ファンの間でおなじみとなった「機動破壊」で、2014年にブレイクしたのが健大高崎だ。甲子園では利府(宮城)戦で11盗塁を決めるなど、4試合で合計26盗塁をマークして8強入りした。

この活躍で健大高崎=盗塁というイメージが多くの野球ファンに根付いたが、最近は少し様子が違う。実際、2019年の夏季県大会では盗塁0で初戦敗退と苦しんだ。

しかし、続く秋季大会では群馬予選で3位になり関東大会に進出すると見事優勝。その後の明治神宮大会でも準優勝を飾った。

その神宮大会でチームを助けたのが機動力だった。神宮大会の盗塁数は4試合で9つ。決して多くないのだが、走るというプレッシャーによって場を支配する野球をしているのだ。

というのも、健大高崎が機動力を使うことは多くの高校にとって共通認識。だからこそ、チームは機動力で牽制し自分たちのペースにもちこむ戦術をとっている。

秋季大会での躍進が認められ、春の選抜には3年ぶり4回目の出場。「機動破壊」を定着させたコーチ陣は2018年で退任しているが、新たな「機動破壊」で全国の頂点を狙っている。

県内無敵の山梨学院

2019年の秋季関東大会で準優勝したのが山梨学院。県内では今のところ敵なしの強豪で、4年連続夏の甲子園に出場するなど安定した強さをもつ。

2019年の秋季山梨大会では、準々決勝で東海大甲府を17-6、準決勝で甲府工を7-5、決勝で駿台甲府を8-5で破って優勝、関東大会でも花咲徳栄や桐生第一といった猛者たちを撃破し、春の選抜に出場する。

2020年も順当なら5年連続の夏の甲子園出場の可能性が高い。まずは春の舞台で弾みをつけたいところである。

猛打で進撃の東海大相模

神奈川2強のひとつ、東海大相模の魅力はなんといっても攻撃力である。過去7年の地区大会では全44試合のうち、21試合で8点差以上をつけて勝利。さらに、3点差以内の勝利は4試合のみと、ほとんどの試合で大差をつけているのだ。

その傾向は秋季大会でも見られ、地区大会では6試合で66得点。関東大会でも3試合で28得点をあげている。

東海大相模の誇る迫力ある野球の裏には、初球からしっかりと振り切る打撃練習と、常に先の塁を狙う走塁への意識付けがある。さらに、甲子園のもつ独特な雰囲気を練習に取り入れて、魔物が住むフィールドで戦うための準備を常にしているのだ。

秋季関東大会でベスト4に入り、春の選抜に出場する東海大相模。春2回、夏2回の全国制覇を果たしている強豪が5回目の頂点を狙う。

埼玉では圧倒的強さ誇る花咲徳栄

埼玉の暑い夏を5年連続で制しているのが花咲徳栄だ。県内での強さには定評があり、過去5年34試合で337得点35失点。1試合平均にすると10得点1失点と多くの試合で圧倒的強さを見せていることがわかる。

2019年の秋季県大会も問題なく優勝。関東大会1回戦では千葉の拓大紅陵に11-1と大勝した。2回戦で準優勝の山梨学院には1-2で惜敗したが、その力が認められ春の選抜にも出場が決まっている。

2017年には全国制覇するなど、全国でも強豪として知られる花咲徳栄。まずは春にしっかりと力を示し、夏に向けて準備を進めたいところだ。

2019年夏の甲子園8強の関東一

2019年に東東京を制している関東第一。東東京大会では、6試合で4失点と安定した守備力を見せつけた。

過去のデータを見ると、敗戦した試合では5失点以上しており、いかに失点を抑えるかがカギと言えそうだ。

また、出場した甲子園大会では初戦で日本文理、2回戦で熊本工、3回戦で鶴岡東を破ってベスト8入り。準々決勝では優勝した履正社に敗れたものの、さすがの実力を見せつけた。

秋季大会では、名門・帝京に敗れ選抜出場はならなかったものの、夏の甲子園有力校であることは間違いない。まずは東東京を連覇し、今度こそ初の全国制覇を果たしたいところだ。

関東の実力校は他にも

ここまで5地区の強豪校を紹介してきたが、関東にはまだまだ魅力的な高校がある。例えば、2017、18年夏に2年連続甲子園出場の土浦日大、甲子園常連の木更津総合、西東京の名門・日大三などだ。

また、各地区のライバル校も強豪を倒すべく鍛錬を重ねている。今回紹介した高校のうち、どこが甲子園の切符を手に入れるのか注目だ。