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群馬県の高校野球強豪校を紹介 前橋育英、健大高崎、桐生第一などに注目

2020 2/9 06:00山浦和樹
イメージ画像ⒸJohn Konrad/Shutterstock.com
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ⒸJohn Konrad/Shutterstock.com

トップをいく投手王国の前橋育英高校

群馬県の高校野球は、前橋育英高校と高崎健康福祉大学高崎高等学校(健大高崎)の2強時代が訪れている。

前橋育英高校は2016年から2019年にかけて、夏の全国高校野球大会群馬県大会で4連覇。甲子園へのきっぷを手にした。また、春季、秋季の関東大会県予選での優勝経験も豊富。2015年からの5年間で、6回の優勝を果たしている。

前橋育英高校の強さを支えているのは、その強力な投手陣。2013年の甲子園制覇を果たしたさいの投手、高橋光成は2014年のドラフト会議で西武に1位指名された。2017年には、球速140キロを超える投手を3人含めた「カルテット前橋育英」を形成し甲子園出場を果たすなど、投手の育成に定評がある。

2019年の夏季群馬大会でも、5試合で合計6失点。決勝の前橋商業戦では、大会22得点の強力打線を封じ込めて3-0で勝利した。

まさに、群馬の高校野球を代表する投手王国といえるだろう。

機動破壊の健大高崎

健大高崎の代名詞は「機動破壊」。この言葉が高校野球のキーワードになった2014年。健大高崎は県大会で圧倒的な走力でライバル校を次々と撃破し、見事甲子園出場を果たした。

甲子園でもその機動力は輝きを見せる。2回線の利府高校(宮城)戦で11盗塁を記録するなど、4試合で合計24盗塁。1921年に和歌山中等学校が記録した、大会記録の29盗塁に迫った。

1番打者の平山は甲子園で8盗塁を記録。足で相手チームをかき回す戦略で大きな話題になった。準々決勝で大阪桐蔭高校に破れはしたものの、健大高崎の名前は高校野球界に轟いたのである。

そんな健大高崎だったが、ここに来て変革が起きている。機動破壊を定着させたコーチ2人が退任。その影響からか2019年の夏季県大会では、盗塁0で初戦敗退するなど陰りが見えた。

しかし、2019年の秋季大会では群馬予選3位で関東大会進出。東海大相模(神奈川)、常総学院(茨城)などの強豪校を撃破し、関東大会を制した。その後、全国10地区の代表で争う明治神宮大会でも準決勝。その実力は健在であることを示した。

ちなみに、神宮大会では、4試合で9盗塁。機動破壊というには物足りない数字だが、健大高崎の戦い方はすでに全国に知られている。走らずとも盗塁を意識させ、プレッシャーをかける戦い方で勝利を収めているのだ。

鉄壁の投手陣の前橋育英に対し、洗礼された攻撃力で挑む健大高崎。現在の群馬の高校野球はこの2校によって引っ張られている。

秋季大会優勝の古豪桐生第一

ところで、群馬県の強豪校ときいて桐生第一の名前を出す方も多いだろう。ここ数年は前述の2校が結果を出す一方で、その陰に隠れてしまっていた。

しかし、令和初の夏季大会となった2019年は準決勝に進出。優勝した前橋育英に破れはしたものの、古豪復活を感じさせた。

さらに、秋季大会では、前橋育英を4-1で下し見事優勝。夏の雪辱を果たした。古豪が勢いを取り戻すことで、三つ巴の激戦区になれば、群馬県の高校野球のレベルがさらに高くなることだろう。

急成長の関東学園大付属

近年、3つの強豪校に割って入る勢いなのが関東学園大学付属高校だ。2016年の夏季大会は1回戦で前橋商業に破れたものの、翌年から2年連続で準決勝進出を果たしている。

2019年の秋季県大会では、館林商工高校に7-0で敗れるなど、安定感に不安があるが今後に期待したい高校だ。

前橋育英一強時代かそれとも他校が追随するか

前橋育英は4年連続で群馬の夏を制している。新しい攻撃スタイルがどこまで通用するかは未知数だが、健大高崎も実力がある。古豪の桐生第一、関大付属も要チェックだ。

今の所、一歩抜け出している前橋育英。オリンピックイヤーの2020年、5年連続の甲子園出場はなるか。果たして前橋育英の勢いを止める高校が現れるのか。群馬の高校野球から目が離せない。