作新学院が9年連続甲子園出場
栃木県の強豪校は?この質問に多くの高校野球ファンは「作新学院」の名前を出すだろう。
それもそのはず。作新学院は、2011年から9年連続で夏の栃木を制し、甲子園出場を果たしているからだ。これは、甲子園の連続出場記録3位の成績である。(ちなみに最長記録は戦前の14年連続の和歌山中等学校。2位は福島の聖光学院が13年連続で継続中)
作新学院の魅力はその攻撃力。過去5年の栃木県大会の得点はこうだ。
2015年:6試合60点
2016年:6試合68点
2017年:6試合55点
2018年:6試合47点
2019年:5試合53点
合計29試合で283点。1試合平均9.76点。1試合あたり10点近くの点を取る打力である。29試合のうち2桁得点試合は16試合と半数を越えており、県内で圧倒的な得点力をみせている。
こうした強さを支えているのは、その指導方法。2019年7月30日に日刊スポーツに掲載された記事の中で監督の小針崇宏氏は「準備と覚悟をもって自主性のある選手を育てることに重きをおいている」という主旨の話をしている。「選手をじっくり長期的に計画を持って育成することも大事にしている」とも伝えられている。
圧倒的実力と、じっくりとした育成が噛み合っているからこそ、9連覇を成し遂げ、栃木県内で一強の状態を作り出せているのだ。
5年連続ベスト8入りの青藍泰斗
作新学院の牙城を崩す候補として有力な1校が青藍泰斗だ。2019年の県秋季大会を制し(22年ぶり)、関東大会に進出。作新学院に次ぐ、力強い打撃が魅力で2019年は5試合で37得点、2018年は5試合で25得点を記録している。
ここ5年の夏季大会を見てみると、作新学院との対戦は1回のみ(2017年の準決勝)。敗れはしたものの、3-2の僅差と豪打の作新学院相手に善戦した。
2019年夏秋連続準優勝の文星芸大付属
2019年、夏秋連続で決勝に進出しているのが文星芸大付属だ。夏大会は決勝で作新学院に敗れたものの、4年連続ベスト8を果たしている。
また。秋季大会でも準優勝。1年生大会では優勝を勝ち取るなど、県大会を勝ち抜くポテンシャルは十分。文星芸大付属は、作新学院が夏大会9連覇を果たす中で辛酸をなめてきた高校でもある。過去9年で5回作新学院とあたり敗北しているのだ。
しかし作新学院相手に2桁失点はなく、3回が3点差以内と、文星芸大付属も打倒作新学院の有力候補だ。
3年連続決勝進出の国学院栃木
2015年から2017年まで3年連続で夏に決勝進出を果たしていたのが国学院栃木だ。
2018年の選抜高校野球に出場し、3回戦まで勝ち進んだ強豪校。だが、2018年と2019年の夏季大会は2回戦、3回戦で敗退している。また、3年連続の作新学院との決勝も、9-2、15-6、15-1とそれぞれ大敗。実力の差を見せつけられてしまった。
さらに、2019年の秋季大会でも2回戦敗退を喫するなど、苦戦が続いている。
作新学院が圧倒的!その他は拮抗
以上紹介した4校以外にも、古豪の佐野日大、2年連続ベスト8の宇都宮商業、宇都宮工業、ベスト8常連の白鴎大足利などが追随する形になっており、戦力は拮抗している。
現状、作新学院1強になっている栃木県の高校野球。2020年も作新学院一強の時代は続くのか。それとも牙城を崩す高校が現れるのか。