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夏の甲子園・ドラフト候補たちはどうだった?〜投手編〜

2018 8/26 07:00勝田聡
甲子園,ⒸSPAIA
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春夏連覇のエース・柿木蓮

史上初となる2度目の春夏連覇を達成した大阪桐蔭(北大阪)は、ひとりで全試合に完投するわけではなく、複数の投手を起用しながら勝ち上がっていった。そのなかでエースナンバーを背負っていたのは柿木蓮だ。

柿木は全6試合に登板し、36回を投げ39奪三振、防御率1.00と安定した投球を披露。最速151キロのストレートを中心にスライダーを交え淡々と投げ込む姿は、まさにプロのよう。走者を出しても落ち着いており、今大会で1イニングに2点以上を失ったことは1度もなかった。プロ志望届を提出するのは確実と見られており、上位指名は間違いないだろう。

<柿木蓮・甲子園成績>
6試合/36回/奪三振39/与四死球8/防御率1.00

大阪桐蔭に好投・山田龍聖

今大会で大阪桐蔭をもっとも苦しめたと言っても過言ではないのが、高岡商(富山)の山田龍聖だろう。どこからでも点が取れる大阪桐蔭相手に8回3失点、11奪三振と堂々の投球を見せた。

182センチ・80キロの長身サウスポーは最速144キロのストレートとスライダーが武器だ。スライダーの制球が甘く、ワンバウンドになるような投球も多かったが、左打者の外角低めに決まると高校生レベルでは手が出ない。

貴重な大型左腕だけに進路には注目が集まっている。

<山田龍聖・甲子園成績>
3試合/24回/奪三振26/与四死球9/防御率2.25

大谷二世?渡邉勇太朗

大谷翔平(エンゼルス)のような長身から、そっくりなフォームで150キロ近いストレートを投げ込むのが浦和学院(南埼玉)の渡邉勇太朗だ。

今大会では2戦目となった二松学舎大付(東東京)戦が圧巻だった。4回に連打を浴び、無死二、三塁のピンチを招くが2つの空振り三振と内野ゴロで無失点に抑える。その後は二塁も踏ませぬ投球で完封勝利。10個の三振を奪い、課題の制球面も与四球は初回に与えた1個だけと抜群の投球を見せたのである。

次戦の大阪桐蔭戦では打ち込まれるシーンもあったが、それで評価が大きく下がることはないはずだ 。まだまだ荒削りではあるが、志望届を提出すれば上位指名される可能性は十分にある。

<渡邉勇太朗・甲子園成績>
3試合/21.1回/奪三振22/与四死球8/防御率2.11

秋田のキラ星・吉田輝星

今大会でもっとも輝いたといっても過言ではないのが吉田輝星(金足農)だ。秋田大会から準決勝までをひとりで投げ抜き、チームを103年ぶりとなる決勝まで導いた豪腕である。

今大会では50回を投げ奪三振は62個。140キロ台後半のストレートに鋭く落ちるスライダーで相手打線を翻弄した。また、頭脳プレーで併殺を奪う場面もあり、フィールディング面でも才能を見せている。速い牽制、遅い牽制を使い分け、クイックモーションも活用するなど随所に高校生離れしたプレーを見せたところも印象的だった。

打撃面でも本塁打を含む7安打を放ち、打率.350をマーク。まさに走攻守どれをとっても一級品と言える存在だ。プロに関しては本人の口から語られていないが、プロ志望届を提出すれば1位で消えることになりそうだ。

<吉田輝星・甲子園成績>
6試合/打率.350(20打数7安打)/1本/3打点/0盗塁
6試合/50回/62奪三振/14与四死球/防御率3.78