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盛り上がりを見せた第100回夏の甲子園、球児たちの活躍を振り返る

2018 8/25 07:00勝田聡
甲子園球場,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

大阪桐蔭が史上初の2度目となる春夏連覇

第100回全国高校野球選手権大会(以下、夏の甲子園)を制したのは、大本命でもあった大阪桐蔭(北大阪)だった。

初戦では、2016年の覇者・作新学院(栃木)に3対1で勝利。その後も柿木蓮、根尾昂、横川凱の3投手を使い分け、順調に勝ち進む。迎えた決勝では、県勢として第1回大会以来103年ぶりに決勝進出を果たした金足農(秋田)を13対2で撃破し、史上初となる2度目の春夏連覇を達成した。

金足農のエース・吉田輝星は5回で力尽き、今大会初めてマウンドを降りる。東北勢の悲願は叶わなかったものの、堂々とした投球は大会史に残るだろう。

注目選手が実力を発揮

大阪桐蔭の藤原恭大、根尾はともに打率4割を超え、3本塁打を放つ活躍。夏連覇を目指した花咲徳栄(北埼玉)の野村佑希は、昨夏に引き続き2本塁打を記録しチームを引っ張った。報徳学園(東兵庫)の小園海斗も初戦で大会タイ記録となる1試合3二塁打を放ち、存在感をアピール。

投手陣では、大谷翔平(エンゼルス)を彷彿とさせる長身を持つ渡邉勇太朗が3試合に登板し、21.1回を投げ22奪三振。二松学舎大付(東東京)戦では、被安打5で完封勝利をマーク。また、大阪桐蔭のエース・柿木も36回を投げ39奪三振、防御率1.00を記録している。

大会前から注目されていた選手が順当に結果を出した100回大会だった。

タイブレークは2試合!先攻・後攻ともに1勝

延長13回以降に、無死一、二塁からスタートする『タイブレーク』が今大会2試合で適用され、その初事例となったのは、1回戦の旭川大(北北海道)と佐久長聖(長野)の試合だった。

4対4でタイブレークに突入したが、なんと13回は両チーム無得点に終わってしまう。つづく14回に先攻の佐久長聖が無死満塁とし、内野ゴロの間に1点を勝ち越すとその裏を無失点に抑え、甲子園史上初のタイブレークを制したのである。

もう一つのタイブレークは、劇的な幕切れとなった済美(愛媛)と星稜(石川)の一戦だ。9対9の同点で突入した延長13回、先攻の星稜がスクイズなどで2点を奪い、11対9となる。しかしその裏、済美は無死満塁から大会史上初となる逆転サヨナラ満塁本塁打を放ち、13対11と試合をひっくり返したのだ。

後攻が有利との声が挙がっているタイブレークだが、現時点では先攻・後攻ともに1勝の結果となっている。今後の大会で明確な差は生まれるのだろうか。

150キロ以上を計測したのは4人

投手の力量を測る指標のひとつに球速がある。速ければ抑えられ、遅ければ打ち込まれるというわけではないが、ひとつの目安にはなっている。

今大会で150キロ以上を計測したのは、150キロの吉田輝星(金足農)、奥川恭伸(星稜)、井上広輝(日大三)の3人と、151キロの柿木蓮(大阪桐蔭)の計4人だ。

柿木と吉田は3年生だが、奥川、井上の二人はまだ2年生ということもあって、あと1年でさらなる球速アップも考えられる。現在の甲子園最速は佐藤由規(仙台育英→ヤクルト)と安樂智大(済美→楽天)の155キロとなっているが、来年はその記録が更新される可能性もある。

史上最多の入場者数

これまでの大会史上最多入場者数は1990年の92万9000人だった。しかし、初めて100万人を突破した今回の入場者数は101万5000人を記録している。これは記念大会に加えて、従来の出場校数49校より7校多い史上最多の56校で開催されたことも大きな要因だと思われる。

あっという間に幕を閉じた100回目夏の甲子園。余韻に浸っているファンをよそに、各高校とも次の大会に向け新チームが始動している。101回目の甲子園が待ち遠しい。