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甲子園のキャッチャー防具トレンドはZETT プロ野球では巨人・小林などが使用

2018 8/19 13:00SPAIA編集部
キャッチャー防具@hutterstock.com
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高校野球ではメーカー名の露出が禁止

野球中継を見るときに、キャッチャーの防具について注目したことはあるだろうか。キャッチャーの防具は、野球中継の中で最も露出している時間が長い野球用品だ。

プロ野球では、プロテクターなどの防具にメーカーロゴをつけることが認められているが、高校野球では色は黒・紺に限定され、表面にいかなる商標・マークもつけることは許されていない。

そこで、連日熱い戦いが繰り広げられている第100回全国高等学校野球選手権記念大会に出場している56校のキャッチャーはどのメーカーの防具を使用しているのか。野球用具マニアのSPAIA編集部員が目視で確認した高校野球のトレンドを紹介する。

23校がZETTを使用

大会8日目(8月12日)の第2試合、浦和学院(南埼玉)− 仙台育英(宮城)をもって全56校が登場。初戦にスタメン出場したキャッチャーに限定し、メーカー別のシェア率を見てみると、41%にあたる23校がZETTのプロテクターを使用していた。次いでミズノとSSKが12校で21%と続いており、この3社が全体の80%以上を占めていることが見てとれる。

甲子園出場校キャッチャー防具シェア

ⒸSPAIA

高校別に見てみると、今大会出場校の中で最多の33回目の出場を果たし、1回戦の鳥取城北(鳥取)戦の勝利で甲子園通算100勝を達成した龍谷大平安(京都)や2001年と2011年に優勝している日大三(西東京)、2017年準優勝の広陵(広島)など、多くの名門校がZETTユーザーだった。

ZETTのプロテクターは表面に凹凸が無く、フラットになっているのが特徴(※浦和学院を除く22校が使用)で、他社製品とは一線を画している。また低反発素材を使用し、ワンバウンドの球をブロックした際のボールの衝撃を吸収することにも優れている。プロ野球で巨人の小林誠司が使用したことで注目され、2017年の第99回大会で6本塁打を放つ大活躍を見せた中村奨成(広島)も広陵時代から同製品を使用している。機能面はもちろん、人気選手の使用による露出度の高さも高校球児の人気を集める要因となっているのではないだろうか。

※浦和学院は、凹凸のあるタイプを使用

プロ野球選手に人気のハタケヤマは2校のみ

その一方で甲斐拓也(ソフトバンク)や大野奨太(中日)など、多くのプロ野球選手が使用するハタケヤマは花咲徳栄(北埼玉)と山梨学院(山梨)の2校のみだった。では、なぜ高校野球では人気がないのかを考えてみる。

プロ野球では選手ごとに使用するメーカーに違う。しかし、高校野球では用具別にメーカーが違うことはあるものの、多くはチーム単位で野球用具をまとめて購入している。さらにチームで使用する野球用品はすべて同一メーカーで統一しているチームも存在する。こうしたことから、キャッチャーミットとキャッチャー防具のみ注目度が高いハタケヤマは、バットやスパイクまで販売している大手メーカーに比べ、高校野球でのシェア率が極端に低くなっていると推測できる。

憧れの選手と同じメーカーの製品を使いたい、カッコいい製品を使いたいなどの理由から人気のメーカーも時代と共に変化する。2018年はZETTに人気が集まっているが、今後はどのメーカーが人気を集めるのか、そうした点に着目するのも面白いだろう。

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