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吉田、西、奈良間……甲子園初戦で新星たちが衝撃デビュー

2018 8/13 15:00青木スラッガー
甲子園球場,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

甲子園で衝撃デビューを飾った「新星」

夏の甲子園は大会8日目(12日)に全校が初戦を終え、後半戦に突入している。初戦は昨夏王者・花咲徳栄の4番エース野村佑希が本塁打を放つなど、昨年も活躍した選手たちが順当に力を発揮。そんな中で、金足農・吉田、創志学園・西ら聖地初登場で輝く「新星」の存在も目立った。

初戦で一際輝いたのは最速150キロのプロ注目右腕2人だ。

金足農・吉田14奪三振すれば……翌日には創志学園・西が16奪三振

秋のドラフト候補に挙がる吉田輝星は、鹿児島実業戦で14奪三振1失点完投の鮮烈デビュー。三振の12個をストレートで奪った球威は今大会ナンバーワンといえるだろう。

吉田本人も球威には絶対的な自信を持っている。5回1死二塁で1番の左打者を迎えたピンチでは、何度もサインに首を振ってインコースのストレートを選択し、懐ギリギリに突き刺さるような148キロを決めて見逃し三振。走者を背負ってからの攻撃的な投球姿勢は100回大会の「主人公出現」を予感させる。

金足農戦の翌日、大会5日目は2年生の西純矢が、創成館戦で16奪三振完封デビュー。西も初戦で最速148キロを計測したが、印象的だったのは多くの三振を奪ったスライダーだ。鋭く落ちるスライダーに、神宮準優勝チームのバットがことごとく空を切った。

2年生で1試合16奪三振以上は、2012年夏、22奪三振の大会記録を樹立した現楽天・松井裕樹(桐光学園)以来。スライダーのキレ具合も、今や球界を代表するクローザーにまで成長した松井の高校時代に匹敵するかもしれない。

予選打率8割超「常葉大菊川のジーター」がバックスクリーン弾デビュー

打者では、予選大会で驚異の打率.818を残して話題になっていた奈良間大己(常葉大菊川)が初戦で早速魅せた。益田東戦、初回の先頭打者でいきなりセンターへフェンス直撃の二塁打を放つと、第3打席も同じ方向へ今度は特大のバックスクリーン弾。インコース低め「見逃せばボール」というところを、すくい上げて運ぶ衝撃的な一発だった。

右打ちの1番・遊撃手で、ピンストライプのユニフォームがヤンキースに似ていることから「常葉大菊川のジーター」の異名を持つ主将。初戦で二塁打3本の小園海斗(報徳学園)や、二刀流の根尾昂(大阪桐蔭)らに対抗する、遊撃手の新たなヒーロー候補出現だ。

侍ジャパンU-18代表一次候補の外野手・蛭間拓哉(浦和学院)も仙台育英戦で本塁打を放った。2年夏の県予選で4本塁打を放つなど、その実力は地方から全国へ轟いていたが、花咲徳栄に阻まれ甲子園が遠かったプロ注目の左打者。ようやくたどり着いた聖地で初戦から躍動した。

春から急成長し4番に座る東健太郎(八戸学院光星)は、明石商戦で3安打2本塁打4打点の大暴れ。前回出場の1年夏は7点差の大逆転負け(東邦戦)をスタンドから見ていた。初めてグラウンドに立つ今回も、聖地は地元校の相手を後押しする完全アウェー。その中で主砲の働きを全うしチームに勝利をもたらした。

「逆方向へ2発」「最速149キロ」のスーパー2年生も

2年生の小野寺優斗(大垣日大)は、東海大星翔戦で2本塁打。強打が伝統のチームで5番を任される右打者だ。1本目は右翼手の後ろあたり、2本目は右中間と、逆方向に続けて2本打つ規格外のパワーを見せている。

同じく2年生の根本太一(木更津総合)は球速で大観衆を沸かせた。敦賀気比戦、8回途中からの登板で初球148キロを計測すると、2球目に149キロ。西のほか、最速152キロ左腕の及川雅貴(横浜)や、2回戦で敗退するも150キロをたたき出した奥川恭伸(星稜)など、前評判の高い下級生投手がそろう中、新たに甲子園初登場投手からスーパー2年生が加わった。

甲子園初登場の初戦で衝撃デビューを飾った彼らは、次の試合でも大活躍となるだろうか。「新星」たちのプレーに注目だ。