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龍谷大平安が甲子園通算100勝達成 次に達成するのはどの高校か

2018 8/13 11:12勝田聡
高校野球,甲子園
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ⒸSPAIA

龍谷大平安が足かけ91年で甲子園通算100勝を達成

大会第7日目となる8月11日の第1試合で龍谷大平安(京都)が鳥取城北(鳥取)に勝利し、春夏甲子園合わせて史上2校目となる通算100勝を達成した。同校は夏の甲子園は今回が34回目の出場となり、40回出場している春のセンバツを合わせると74回目での大台到達だ。

これは単純計算ではあるものの1大会で1.35勝をマークしていることになる。3年で全生徒が入れ替わる高校野球の世界において、京都そして全国のトップを常に争ってきたからこそ到達できたともいえる。優勝4回(春1回・夏3回)、準優勝4回(春0回・夏4回)の実績はダテじゃない。

その龍谷大平安の歴史は古い。甲子園で挙げた初勝利は1927年夏に行われた第13回大会だ。今から91年前のことである。初出場を果たした龍谷大平安の前身である平安中は初戦で台北商(台湾)に5対3で勝利した。

台湾からの出場校と対戦していることからもその古さを感じさせてくれる。ちなみに台湾だけでなく、朝鮮や満州の代表も1940年の第26回大会まで甲子園に出場していたのだ。

その記念すべき初勝利から足かけ91年で100個の白星を積み上げてきたことになる。

大阪桐蔭、横浜でも100勝は遠い

甲子園白星ランキングを見ると龍谷大平安の100勝は歴代単独2位となっている。1位は愛知県の名門でもある中京大中京の133勝(春55勝・夏78勝)だ。3位には1980年代から2000年代にかけて圧倒的な強さを誇ったPL学園(大阪)が96勝でつけている。4位以下には県立岐阜商(岐阜)、松山商(愛媛)、天理(奈良)と古くからの強豪校が名を連ねる。

ベスト10までを見ても今大会で優勝候補に挙げられている大阪桐蔭(大阪)や横浜(神奈川)、夏連覇を目指している花咲徳栄(埼玉)といった学校の名前は出てこない。

大阪桐蔭は58勝(春26勝・夏32勝)、横浜は57勝(春23勝・夏34勝)となっており、近年の名門校でも100勝までの道のりは遠い。花咲徳栄に至っては15勝(春3勝・夏12勝)だ。100勝には一時代的な強さだけでは届かない歴史の重みがあるのだ。

高校野球,甲子園,100勝

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次の到達は早くて2年後の県立岐阜商

現行の体制だと基本的には春のセンバツは32校、夏の選手権は49校(今大会は記念大会のため56校が出場)で争われる。両大会ともトーナメント方式がとられるため、1年間で春は最大5勝、夏は最大6勝しか積み上げることができない。

春夏連覇を果たしてようやく最大11勝を積み上げることできるのである。それを9年続けてようやく99勝となる。突出した選手がいる世代だけが強くても、100勝には届かないことがよくわかるはずだ。

現時点でもっとも100勝に近いのは96勝をあげているPL学園だが休部中となっており、再開のメドは立っていない。そのため現実的には県立岐阜商の87勝が最も近い学校といえる。しかし今大会には出場していないため、早くても2年後の2020年に開催される春のセンバツが最短での達成だ。

同校は今年から秀岳館(熊本)を短期間で強豪校へと導いた鍛治舎巧監督が指揮を取っている。春は2015年、夏は2012年以来、甲子園から遠ざかっている名門の県立岐阜商が名監督の手で復活を果たし、史上3校目の100勝を達成するのだろうか。

それともその他の学校が巻き返しを見せるのか。今後の戦いぶりにも期待したい。

※数字は2018年8月12日終了時点