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聖光学院、明徳義塾、作新学院の連続記録は伸びるか 波乱相次ぐ100回目の全国高校野球選手権地区大会

2018 7/20 15:05青木スラッガー
甲子園球場,ⒸShutterstock.com
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全国各地の地区大会で波乱が相次ぐ

開催中の第100回全国高校野球選手権記念大会は、各地で行われている地区大会で波乱続きとなっている。優勝候補のシード校や甲子園常連校が、初戦や2回戦で敗退するケースが相次いでいるのだ。

 春はセンバツで全国上位に進出した高校が、早くも夏を終えた。ベスト4の三重(三重)、ベスト8の日本航空石川(石川)が初戦敗退し、ベスト16の国学院栃木(栃木)も2回戦敗退。センバツ出場の松山聖陵(愛媛)、東筑(北福岡)、延岡学園(宮崎)なども初戦で姿を消した。

 九州大会は特に波乱が相次ぐ。熊本大会ではシード校の文徳、九州学院が初戦敗退。南福岡はシードの福岡工大城東が初戦、北福岡では春九州王者の九州国際大付が2回戦で敗退となった。

 他にも早稲田実業(西東京)、東洋大姫路(西兵庫)、春日部共栄(北埼玉)、新潟明訓(新潟)といった強豪校や、神村学園(鹿児島)、津田学園(三重)、松商学園(長野)といった昨年夏の甲子園出場校が早い段階で敗退する波乱が続く。

 「なぜ波乱が相次ぐのか?」と話題にもなりはじめているが、特に何か原因があるわけではないだろう。夏の甲子園までの道のりはそれだけ困難で、精神的にも未熟な高校生同士の戦いに、何が起こってもおかしくないということだ。

 だが一方で、地区の優勝旗を何年もひとり占めし、「絶対王者」に君臨している高校もある。

連続出場が続く地区の「絶対王者」3校

地区の「絶対王者」を探すと、2017年の第99回選手権大会まで7連覇以上を達成中の高校が3校ある。  継続中で最多の高校は県11連覇の聖光学院(福島)だ。初の甲子園出場は2001年夏と比較的最近強くなった高校だが、そこからは福島で一人勝ち。最近5年の決勝戦はすべて1点差ゲーム、うち昨年を含む3度はサヨナラ勝ちと、土壇場での強さが光る。
 夏の甲子園11大会連続出場は戦後最長記録で今年地区大会12連覇となれば、戦前に和歌山中が達成した歴代最多記録の14大会連続出場も近づいてくる。今年の聖光学院は6年ぶりに春の東北大会も制しており、例年以上に連覇へかかる期待は大きい。

 センバツで春夏通算50勝を達成した馬淵史郎監督率いる明徳義塾(高知)は8連覇。県内に2013年センバツベスト4の高知という強力なライバルがいるが、その高知をことごとく僅差で破り、ここまで夏の甲子園に連続出場してきた(2011年から5年連続決勝で高知と対戦し、すべて1点差ゲームで制している)。
 今年の明徳義塾は絶対的エースにプロ注目の市川悠太がいて、秋は神宮大会を制覇。9連覇となれば、甲子園では優勝候補にも挙がるチームだ。

 明徳義塾に次ぐのは、7連覇の作新学院(栃木)。現日本ハムの石井一成が2年生でレギュラーだった2011年に夏の甲子園ベスト4入りを果たすと、ここから黄金期を迎えた。2012年も夏の甲子園ベスト8入りし、西武・今井達也がエースだった2016年は全国制覇。7連覇中は栃木大会決勝でも大差をつけることが多く、県内で他校を圧倒している。
 センバツベスト16の國學院栃木が最大のライバルで、過去3年は連続で決勝の相手となっていたが、今年は前述のように2回戦で敗退しており敵は少ない。

秀岳館、北海は連続出場途絶える

 聖光学院、明徳義塾、作新学院にとっては、例え決勝まで進んだとしても、そこで敗れると「大波乱」となるだろう。他に昨年まで連覇を続けていた高校では、2連覇の秀岳館(熊本)が3回戦で熊本工に敗れ、3連覇の北海(南北海道)は準々決勝で駒大苫小牧にコールド負けしている。

 いまのところは3校とも順調に勝ち進み、聖光学院と作新学院はベスト4、明徳義塾はベスト8入りを決めた。聖光学院と作新学院は21日に準決勝を迎え、勝ち進めば22日に決勝戦。明徳義塾も22日に準々決勝が控えている。

 各地で波乱相次ぐ夏の高校野球。絶対王者たちは、第100回記念大会の甲子園にたどり着くことができるのだろうか。