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「機動破壊」の健大高崎、打撃力で春季関東大会V 夏の甲子園第100回大会へ弾み

2018 5/27 07:00勝田聡
高校野球 Photo by mTaira/Shutterstock.com
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「機動破壊」に「打撃力」加わった健大高崎高

5月23日の春季関東大会決勝戦で健大高崎(群馬)が日大三(東京)を15-10下し6年ぶりの優勝を果たした。

健大高崎高といえば「機動破壊」と呼ばれる脚を使った攻撃が有名だ。甲子園の舞台で同校の選手が出塁すると、球場だけでなく、テレビで観戦しているファンも「いつ走るか」に注目する。
それくらい「健大高崎高=機動破壊」のイメージは定着しているが、この春季関東大会では代名詞の「機動破壊」だけではなく「打撃力」も魅せてくれた。

準決勝の木更津総合高戦が象徴的だった。序盤から失点を許し3回表が終わり0-4と4点のビハインド。その裏、享保駿が2点本塁打を放ち2点差に詰め寄ると、4回には相手のミスもあり同点に追いつく。

その後も投手陣が打ち込まれ8回表が終わり、4-8と再び4点のビハインド。更に8回裏には無死満塁から2点、9回裏には1死満塁から3点を奪いサヨナラ勝ちした。

その勢いを持って臨んだ決勝の日大三高戦では、主砲・山下航汰が高校通算71号本塁打、高山遼太郎が同41号本塁打を放ち15得点を奪い、15-10の乱打戦を制している。

山下は2年生ながら2017年春のセンバツ甲子園に主軸で出場、史上2人目となる1大会2本の満塁本塁打を放ったスラッガーだ。一方の高山は元・広島東洋カープの高山健一氏を父に持つ野球エリート。 春の勢いを持ち「機動破壊」という走りに、このふたりを軸とした「打撃力」を加え、夏の甲子園100回大会出場を目指す。

春のセンバツ4強の東海大相模高はベスト8

大阪桐蔭高が連覇を飾った今春センバツにおいて、ベスト4の成績を残した東海大相模高。今大会は推薦枠で出場を果たし、初戦で昨夏の甲子園覇者である花咲徳栄高と対戦した。

この試合の5回、東海大相模高は大量7点を奪い7-1と試合を優位に進めるも、徐々に失点し9回表で7-7の同点に追いつかれてしまう。しかし、この悪い流れを払拭したのが主砲・森下翔太だった。 今春のセンバツではノーアーチだったが、同点の9回裏2死走者なしから待望のサヨナラ本塁打。一振りで試合を決めた。続く常総学院高には、3-7と競り負けベスト8敗退となっている。

今夏の甲子園予選神奈川県大会は記念大会ということで南北に別れており、東海大相模高は北地区に属している。
県内で最大のライバルである横浜高は南地区。甲子園の舞台まで対戦することはない。春のセンバツでベスト4、春季関東大会ベスト8で満足せず、夏の甲子園で大旗を手にすることを期待したい。

【春季関東大会・結果】

  • 優勝:健大高崎高(群馬県)
  • 準優勝:日大三高(東京都)
  • ベスト4:木更津総合高(千葉県)、常総学院高(茨城県)
  • ベスト8:浦和学院高(埼玉県)、横浜高(神奈川県)、東海大相模高(神奈川県)、習志野高(千葉県)