「機動破壊」に「打撃力」加わった健大高崎高
5月23日の春季関東大会決勝戦で健大高崎(群馬)が日大三(東京)を15-10下し6年ぶりの優勝を果たした。
健大高崎高といえば「機動破壊」と呼ばれる脚を使った攻撃が有名だ。甲子園の舞台で同校の選手が出塁すると、球場だけでなく、テレビで観戦しているファンも「いつ走るか」に注目する。
それくらい「健大高崎高=機動破壊」のイメージは定着しているが、この春季関東大会では代名詞の「機動破壊」だけではなく「打撃力」も魅せてくれた。
準決勝の木更津総合高戦が象徴的だった。序盤から失点を許し3回表が終わり0-4と4点のビハインド。その裏、享保駿が2点本塁打を放ち2点差に詰め寄ると、4回には相手のミスもあり同点に追いつく。
その後も投手陣が打ち込まれ8回表が終わり、4-8と再び4点のビハインド。更に8回裏には無死満塁から2点、9回裏には1死満塁から3点を奪いサヨナラ勝ちした。
その勢いを持って臨んだ決勝の日大三高戦では、主砲・山下航汰が高校通算71号本塁打、高山遼太郎が同41号本塁打を放ち15得点を奪い、15-10の乱打戦を制している。
山下は2年生ながら2017年春のセンバツ甲子園に主軸で出場、史上2人目となる1大会2本の満塁本塁打を放ったスラッガーだ。一方の高山は元・広島東洋カープの高山健一氏を父に持つ野球エリート。
春の勢いを持ち「機動破壊」という走りに、このふたりを軸とした「打撃力」を加え、夏の甲子園100回大会出場を目指す。