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確率4%! 21世紀枠から夏の甲子園は狭き門

2018 5/3 12:00mono
甲子園
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ⒸSPAIA

3校とも初戦で散る

今大会では由利工高(秋田県)、膳所高(滋賀県)、伊万里高(佐賀県)の3校が21世紀枠で出場した。由利工高、伊万里高の両校は秋季県大会を勝ち抜き、地区大会にも出場しており期待されていた。

各高校の対戦結果を見ると由利工高が日大三高に0-5で、膳所高が日本航空石川高(石川県)に0-10で、そして伊万里高が大阪桐蔭高(大阪府)に2-14でそれぞれ敗戦という結果になった。

巡り合わせも悪く、対戦相手は全て秋季地区大会で優勝している強豪だったとはいえ大敗している。まさに、力の差を見せられたといっていい敗戦だった。今後は夏の選手権に向け、各チーム、立て直しになるだろう。

滋賀県からは、近江高・彦根東高・膳所高の3校が出場しており、夏の県大会は熾烈な争いとなることが予想される。膳所高は注目を浴びたデータ野球で県大会を勝ち抜きたい。

秋田県は由利工高のみ、佐賀県も伊万里高のみと他校は出場していない。しかし、秋田県は秋季大会を制した能代松陽高、準優勝の角館高が控えており、プロ注目の右腕・佐藤亜蓮を中心に守り勝つ野球をみせたいところだ。

また、佐賀県にも佐賀学園高、佐賀北高ら甲子園の常連校がいる。秋季県大会では準優勝となったものの伊万里高も気が抜けない。

過去に2度の同年夏での返り咲き

過去の大会を見ると、春のセンバツ21世紀枠で出場した高校が同年夏の選手権へ再び戻ってきたのは、45校中わずかに2校である。確率にすると4.4%と非常に狭き門だ。

初めて21世紀枠が設けられた2001年に選出された宜野座高(沖縄県)。この大会で21世紀枠出場校として、現在でも最高記録タイとなっているベスト4を達成するなど、旋風を巻き起こした。同年夏の大会では、春のセンバツ準決勝で敗れた仙台育英高(宮城県)と再戦し、7-1とリベンジを果たした。次戦ではエースに八木智哉(元・中日)を擁する日本航空高(山梨県)と対戦し1-4で敗れている。

同じく、21世紀枠で初出場を果たした宜野座高はベスト4進出に加え、同年夏の大会にも県大会を勝ち抜き出場する偉業を成し遂げている。

そしてもう1校、同年21世紀枠の選出から夏の甲子園へ戻ってきた高校が、2010年の山形中央高だ。春のセンバツの初戦で、後にプロ野球選手となる高山俊(現・阪神)、横尾俊建(現・日本ハム)、山崎福也(現・オリックス)の3人がいる日大三高(東京都)に4-14で敗戦。夏の大会では、九州学院高(熊本県)に0-7で完封負けしており、甲子園で勝利を挙げることはできなかった。

21世紀枠から春のセンバツに出場し、同年夏の選手権で再び聖地へと戻ってくることが、いかに困難かわかるだろう。また、出場しても勝ち抜いていくにはさらに高いハードルがある。 今季の由利工高、膳所高、伊万里高の3校には、地区大会を勝ち抜いてもらい、史上3例目となる21世紀枠で夏の選手権へ出場するという快挙を達成してほしい。