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王者大阪桐蔭を止めるのはどこだ!?甲子園常連校以外にも対抗馬あり

2018 3/24 09:30青木スラッガー
高校野球
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今年も優勝候補大本命は大阪桐蔭。対抗馬となるのは……

ここ10年(2008年~)春夏通じて甲子園優勝5回と、現在の高校野球界でトップに君臨している大阪桐蔭。2018年センバツでも優勝候補の大本命だ。
ドラフト候補には二刀流の根尾昂、2年夏にU-18日本代表入りした強打者の藤原恭大ら6人もの名が挙がり、今年の学年は「大阪桐蔭史上最強」という呼び声も高い。

王者大阪桐蔭の対抗馬となりそうなのは、どの高校だろうか。
甲子園常連校で特に「今年は強い」と評価されているのは2017年の神宮大会を制した明徳義塾(高知)や智弁和歌山(和歌山)。東日本では東海大相模(神奈川)も優勝候補に挙がる。

こういった強敵と大阪桐蔭は、どのような対戦結果を残しているのだろうか。
ここ10年の「大阪桐蔭VS第90回センバツ出場校」の公式戦対戦結果を調べてみると、対戦から日が浅い順に創成館(長崎)、彦根東(滋賀)、明徳義塾の3校が大阪桐蔭から白星をあげている。

最近10年で大阪桐蔭を倒している出場校は創成館・彦根東・明徳義塾のみ

2017年の神宮大会準優勝校・創成館(長崎)は、同大会で大阪桐蔭と戦ったばかり。ドラフト候補揃いの大阪桐蔭投手陣に打線が12安打を浴びせ、7対4で打ち勝った。
大阪桐蔭は新チームになってからこの試合まで、最大で2失点しかしていない。秋に大阪桐蔭投手陣を唯一打ち砕いたのが創成館だ。

創成館は2015年夏に甲子園初勝利と、最近になって頭角を現してきた高校だ。大阪桐蔭戦の勝利は「大金星」と扱われたが、ほかにも聖光学院(福島)など全国の名門校を次々と撃破した秋の戦いぶりから、今センバツでは優勝候補の一角に数えられる。

2015年の春季近畿大会で、大阪桐蔭を下した彦根東(滋賀)も近年急成長してきた高校だ。2017年に春季近畿大会の準決勝で、大阪桐蔭と2年ぶりに再戦。
このときは敗れたが、8回終了まで1点をリードする惜しい展開だった(スコア3対4)。同年夏に甲子園初勝利を飾った。

彦根東は昨年の大阪桐蔭戦に2年生で登板した増居翔太、原功征の両左腕が現在の主戦投手。甲子園で再戦となれば競った試合が期待できそうだ。
公立の進学校という面が注目されている同校だが、大阪桐蔭の隠れた有力対抗馬としても要チェックである。

今センバツで下馬評の高い秋王者の明徳義塾は、2012年夏から3年連続、甲子園で大阪桐蔭と対戦している。結果は明徳義塾1勝(2013年)、大阪桐蔭2勝で大阪桐蔭に軍配が上がっている状態だ。
対戦当時のメンバーは卒業しているが、もちろん明徳義塾・馬淵史郎監督、大阪桐蔭・西谷浩一監督という両指揮官の顔ぶれは変わらない。

今年の明徳義塾は、エースのサイド右腕・市川悠太が注目選手。秋は高知大会から10試合を一人で投げぬいて、チームを全国制覇に導いた。
複数投手で継投や、先発ローテーション編成の可能性もある大阪桐蔭とは対照的なチームだ。優勝候補筆頭である両校の行方を占ううえで、両監督の投手運用はひとつの注目ポイントとなるだろう。

昨年大阪桐蔭に3連敗した智弁和歌山はセンバツで4番が復帰。リベンジを果たせるか?

創成館・彦根東・明徳義塾は組み合わせで、それぞれ別のブロックに散らばった。
彦根東が大阪桐蔭と同じCブロックに入り、両校が勝ち進めば準々決勝での対戦となる。明徳義塾(Aブロック)、創成館(Bブロック)が大阪桐蔭と対戦する可能性があるのは決勝戦。
王者を破っている3校がどんな戦いぶりを見せるか注目だ。

一方、大阪桐蔭によく負けている高校に目を向けてみると、近畿大会での対戦が多い智弁和歌山は最近10年間で4戦4敗を喫している。そのうち3敗は昨年に記録したものだ(春季近畿大会、選手権大会、秋季近畿大会)。

ただ、昨年の3試合はいずれも競った展開だった。新チームで臨んだ秋季近畿大会では、大阪桐蔭エース柿木蓮の前に打線が完封されたが、智弁和歌山投手陣も失点を根尾のソロ一本のみに抑えた。
智弁和歌山は、この試合に故障で出場できなかったプロ注目の左スラッガー・林晃汰が今センバツで復帰する。秋に主砲不在で互角に渡りあったことを考えると、今センバツでは智弁和歌山の方に分があるといえるかもしれない。

智弁和歌山は創成館と同じBブロックに入り、決勝戦まで大阪桐蔭と当たらない。
昨年の選手権大会2回戦で大阪桐蔭に破れ、甲子園を去る際には高嶋仁監督から「(大阪桐蔭を)叩かんと。智弁の名が廃る」という言葉も飛び出したが、今センバツでリベンジを果たせるだろうか。大阪桐蔭を叩けば、智弁和歌山は2000年の選手権大会以来18年ぶりの甲子園優勝となる。