静岡高(静岡県)
2年連続17回目の出場となる静岡高校(静岡県)。春のセンバツにおいて優勝はないが、夏の選手権では1926年に優勝、1960年・1973年の2度にわたり準優勝を果たしている。秋の静岡県大会では決勝で常葉大菊川高相手に5回表終了時点で1-5と劣勢な状態。しかし、そこから逆転勝ちを収め、県制覇を達成している。東海大会では中京学院大中京高(岐阜県)、東邦高(愛知県)といった東海地区の競合を破り優勝。明治神宮大会へと出場を決めた。準決勝で明徳義塾高(高知県)に7回まで3-1とリードするも逆転を許し準決勝敗退。ベスト4で秋の大会を終えた。
今年のチームではリードオフマンの村松開人に注目したい。秋の公式戦では打率.482(56打数27安打)、1本塁打、10打点の成績を残しチーム首位打者となった。身長170センチと小柄ではあるが、50メートル6秒を切るスピードを武器に甲子園でもグラウンドを駆け巡ることに期待したい。
東邦高(愛知県)
2年ぶり29回目の出場となる東邦高(愛知県)。29回目の出場は今大会では最多回数でもある。秋の愛知県大会では初戦から準々決勝まで無失点。準決勝の桜丘高戦、決勝の愛産大三河高戦で失点を喫したが、5試合で43得点4失点と県内では圧倒的な強さを誇った。東海大会でも2試合連続2桁得点をマークし決勝へと進出。しかし、決勝で静岡高校に5-6で惜敗し、明治神宮大会への出場権を逃している。
エース・扇谷莉(おおぎや らい)は愛知県大会・準々決勝の安城戦で完全試合(5回参考)を達成。187センチ・94キロと身体はできあがっており、ストレートの最速は140キロ台後半をマークしている。スライダーにも角度があり、70.1回で68三振を奪うなど奪三振力は高い。迫力がある投球を甲子園でも見せてもらいたい。
三重高(三重県)
4年ぶり13回目の出場となった三重高(三重県)。春のセンバツでは1969年に優勝経験があり、今大会では49年ぶりの優勝を目指す。秋の三重県大会決勝では、いなべ総合高と対戦。9回裏に2点のビハインドを追いつくと、延長11回にサヨナラ勝ちを収め県大会優勝。東海大会に駒を進めている。東海大会では準決勝の東邦高(愛知県)戦で9回表に逆転され敗退。惜しくもベスト4に留まっている。
控え投手の福田桃也はこの秋最多の36回に登板し、防御率1.25とチームトップの成績を残している。サイドスローからスライダー、カットボールなどの変化球を駆使した組み立てが売り。エースである定本拓真の復調具合によってはエースナンバーの交代があり得るかもしれない。
富山商高(富山県)
富山商高(富山県)は9年ぶり6回目のセンバツ出場となった。OBには中澤雅人(ヤクルト)らがいる富山県内の名門校だ。秋の富山県大会で優勝し北信越大会へと出場。初戦の金沢学院高(石川県)、坂井高(福井県)をそれぞれ撃破し準決勝へと進出する。準決勝の日本航空石川高(石川県)戦では、先制点を奪ったものの逆転負け。北信越大会ベスト4で春のセンバツ切符を手に入れている。
チームの中心はエースの沢田龍太だ。秋の公式戦では69イニングを投げ、他の投手にマウンドを譲ったのはわずか1イニング。ほぼひとりで各大会を投げ抜いた。身長183センチの長身から放たれるストレートは最速140キロと目立つほどの球速はない。しかし、スライダーを織り交ぜ多くの三振を奪っている。一冬を超えて球速アップがあると甲子園でもおもしろい存在となりそうだ。
日本航空石川高(石川県)
夏の選手権は2度の出場があるものの、春のセンバツは初出場となる日本航空石川高(石川県)。秋の石川県大会では決勝で星稜高に接戦の末9-10で敗退。石川県2位で北信越大会へと出場する。この大会でも決勝の相手は星稜高だった。2度の中止を経て迎えた試合では初回から得点を重ね10-0と大勝。県大会の雪辱を果たし、明治神宮大会への出場権を獲得した。明治神宮大会では準々決勝で静岡高(静岡県)に4-6で敗れベスト8に終わっている。
4番を任されることが濃厚な上田優弥に注目したい。秋の大会では打率.581(43打数25安打)、3本塁打、18打点を記録する活躍。公式戦11試合で97得点と破壊力あるチームを引っ張ってきた。甲子園でも豪快な一発をみせてほしい。
星稜高(石川県)
松井秀喜氏(元・ヤンキース他)の出身高としても知られる星稜高(石川県)は13年ぶり12回目の出場となった。秋の石川県大会では決勝の日本航空石川高戦で2-8と劣勢な状態から終盤に逆転勝ち。勢いに乗った状態で北信越大会へと進んでいる。北信越大会では決勝まで勝ち進んだものの、日本航空石川高に0-10と大敗。北信越2位でセンバツ切符を手に入れた。
チームのエースは2年生の奥川恭伸だ。182センチ・78キロの長身から最速146キロのストレートとスライダーを武器とする本格派。秋の大会では53.2回を投げ奪った三振は63個。投球回数以上の奪三振数を誇っており、注目度は高い。2019年のドラフト候補とも称されており、甲子園での活躍に期待がかかる。