神奈川県の高校野球をリードする横浜高校
春のセンバツに15回、夏の選手権に15回の計30回甲子園に出場しているのが、神奈川県の高校野球をリードする横浜高校だ。
横浜高校が甲子園の常連校となったのは、現在は同校の終身名誉監督を務める渡辺元智氏の力によるところが大きいだろう。
横浜高校は春3度、夏2度の計5度甲子園で優勝しており、2016年時点で歴代5位となっている。また渡辺元監督が挙げた甲子園での通算51勝は、智弁和歌山の高嶋仁監督、かつてPL学園で采配をふるった中村順司元監督に次ぐ史上3位であり、その実績は神奈川県に限らず全国でもトップクラスなのだ。
プロ野球へも60人近くの卒業生を輩出しており、2016年の現役選手は16人と、出身高校別で1位となっている。
2015年夏に全国制覇!東海大相模
甲子園出場回数で、横浜高校を追うのが東海大相模高校だ。
東海大相模の甲子園出場回数は春9回、夏10回と横浜高校に離されているものの、甲子園の優勝回数は春2回、夏2回の計4回と、決して横浜高校に引けを取っていない。
1965年夏に福岡の三池工業高校を全国制覇に導いた原貢監督。その翌年に原貢監督招聘した東海大相模は、1970年の春のセンバツ甲子園で初優勝し、2000年の春のセンバツでは、現在も監督を務める門馬敬治監督の元、2回目の優勝を果たした。
1969年夏には初出場を果たし、以降順調に甲子園出場回数を伸ばした。しかし、出場できなかった1978年から2010年の33年の間に、横浜高校に夏の甲子園大会出場回数で抜かれてしまった。近年は夏の神奈川県大会で優勝することも多く、2015年夏には全国制覇を果たした。
2強に割って入るか?松井裕樹投手を輩出した桐光学園
21世紀に入って横浜高校、東海大相模高校に割って入る成績を残しているのが桐光学園だ。
2001年以降、夏の選手権への出場回数は横浜高校に次ぐ2位(4回)と、神奈川県の強豪校として認知されている。
桐光学園を率いるのは1984年に就任した野呂雅之監督。就任以降、横浜高校、東海大相模の厚い壁に阻まれていたが、2001年のセンバツ大会に念願の初出場を果たす。2012年夏には松井裕樹投手(現・東北楽天)を擁しベスト8に進出し、一躍その知名度を全国区に押し上げた。
胸にY字のブルーのユニフォームでおなじみ「Y校」こと横浜商業高校
私立高校が優勢の神奈川県にあり、公立高校で奮闘するのが「Y校」の愛称で親しまれている横浜市立横浜商業高校だ。1923年、神奈川県の高校で初めて甲子園に出場したのがY校だった。以降、春に9回、夏に7回の計16回、甲子園に出場している神奈川県屈指の名門校だ。
1983年には、後に中日ドラゴンズに進んだ三浦将明投手を擁し、春夏ともに甲子園大会で決勝進出を果たした。春には水野雄仁投手を擁する徳島県代表の池田高校に、夏には桑田・清原「KKコンビ」で甲子園を沸かせたPL学園に惜しくも敗北し、春夏ともに準優勝という結果に終わった。
その後、1997年のセンバツを最後に甲子園から遠ざかっているY校の復活に注目している。
佐相監督の指導の下大幅に実力アップ!県立相模原高校
近年、神奈川県で躍進が目立つのが神奈川県立相模原高校だ。神奈川県には私立の相模原高校(略称・光明相模原)と区別するため「県相(けんそう)」と呼ばれており、ユニフォームの胸にも「KENSO」と描かれている。
現在も監督を務める佐相眞澄監督が着任した2012年以降、県立相模原高校は実力を大きく伸ばし、神奈川県内の公立高校には全勝、神奈川県内では強豪として知られる横浜隼人高校、横浜創学館高校を破るなど大躍進を見せている。
まとめ
横浜スタジアムで行われている夏の大会の開会式は、選手の父母や高校野球ファンなどが多くつめかけ、毎年満員となっている。
出場校数は約190校と全国で最も多く、その入場行進は壮観の一言だ。横浜高校、東海大相模高校らを中心に毎年激戦が繰り広げられている神奈川県の高校野球から目が離せない。