「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【うどんも野球も日本一へ!】香川県の野球強豪校3選

2016 7/30 15:20
グラブ、ボール
このエントリーをはてなブックマークに追加

平成28年の春のセンバツで高松商業が準優勝を果たし、その注目度は大きく上がっている。今後の大会に向けて、香川県の野球強豪校をもう一度おさらいしておきたいものだ。今回は香川県の野球界を支える強豪校から復活を果たした古豪まで、3校を紹介する。

その名は香川県内にとどまらず!全国屈指の名門校 「高松商業」

古くからの高校野球ファンにとって、香川で強いチームといえば高松商業高校だろう。甲子園には春27回、夏20回出場。通算勝利数55(春33、夏22)は全国でも15位の記録。通算で4度の優勝を誇る、名門中の名門校だ。

1996年に春夏連続で甲子園に出場してから、少し全国の場からは遠ざかっていたが、平成28年の春のセンバツで久しぶりにその姿を見せると、なんと準優勝の大躍進!決勝戦の智辯学園との熱戦は、まだ皆さんの記憶にも新しいのではないだろうか。まさに名門復活といった印象。平成27年秋の神宮大会では敦賀気比高校を破って優勝しており、すごく期待ができる。

先ほど紹介した通り、高松商は4度の優勝を記録している。その内訳は春2回(1924年、1960年)と夏2回(1925年、1927年)。実は春と夏の両方での優勝は、高松商業が初めて達成している。また、野球殿堂入りを果たしたOBが3名。1925年に甲子園優勝に導き、その後1936年に結成された阪急軍の初代主将として草創期のプロ野球界を支えた宮竹三郎。巨人・東映・中日の3チームを監督として日本一に導いた水原茂。巨人のV9をコーチとして支えた牧野茂。このように高松商業の功績は高校野球界だけにとどまらず、今の日本の野球界に大きな影響を与えたといっても過言ではない。

香川の名門私立校 「尽誠学園」

続いて紹介するのは「尽誠学園」。春6回、夏10回の甲子園出場を誇る、香川の名門私立だ。香川県は、先ほど紹介した高松商業に加えて、坂出商・丸亀商・志度商など公立商業高校が代表になることが多い県だった。そんな中、1980年代に入り、他県の私立のように有望選手を集めて台頭したのがこの尽誠学園である。

創設自体は1884年とかなり古かったのだが、甲子園に初めて出場したのは1983年の春のこと。この時は残念ながら初戦敗退も、その後86年、87年には2年連続の甲子園出場、そして87年には初勝利を記録した。この時のエースは、ロッテや阪神で剛速球投手として活躍した伊良部秀樹。鈴木健(西武→ヤクルト、当時の高校記録だった通算83本塁打を記録)率いる浦和学院を相手に5-2で勝利。しかも8回まで0-1と抑え込まれながらも8回に3点、9回に2点を取る劇的な逆転勝利だった。

1989年には西武→ソフトバンクで活躍した宮地克彦をエースに据えベスト8。さらに1992年にもベスト8に進出するなど、全国にその名を轟かせることとなった。特に1992年の1回戦、帝京高校との試合は香川県民の高校野球ファンの記憶に強く残っているのではないだろうか。この年の帝京高校は好投手・三沢興一(その後巨人へ入団)を擁し、春の選抜では優勝。当然夏も優勝候補の一角として名前が挙がっていたが、試合が始まると、まず2回の裏になんと尽誠学園が先制。その後は帝京・三沢と尽誠・渡辺の白熱した投手戦が繰り広げられ、両者得点を許さず。結局この1点が決勝点となり、1-0で尽誠学園が勝利した。

当時は県外出身の選手が多く、外人部隊と揶揄され、地元からの期待もあまり高くはなかったのだが、こんなに素晴らしい試合を見せてくれたのだから、選手の出身地なんて関係ないのではないだろうか。

古豪復活なるか 「坂出商業」

最後に今後期待したい高校を紹介したい。それは香川県立坂出高だ。甲子園には春7回、夏8回の出場経験があり、最近でも2014年の夏に出場しています。先ほど尽誠学園の項目でも少し触れたように、高松商業や他の商業高校としのぎを削っていた時期もあった。しかし、1994年に甲子園に出場してから2014年に戻ってくるまでの20年間、勝てない時期がずっと続いていた。

ですが、そんな雰囲気をガラッと変えることに成功したのが、現監督の宮武正義。大阪府出身で府立春日丘高校2年生の時(1982年)にはPL学園を破って甲子園に出場したという経験もある。2010年に同校に赴任すると、2011年にはいきなりのベスト4を達成。そしてさらに3年後の2014年に甲子園出場を達成。なんと、監督に就任してたった5年で結果を出したのだ。

そのチーム作りの秘訣は「徹底した打撃力向上」だ。冬休みには1日1200スイングをノルマに課すなど、とにかく選手たちにバットを振らせた。それだけでなく、相手投手の研究も熱心に行い、見事に「打撃の坂商」と呼ばれるほどまでにチームをよみがえらせたのだ。実際に甲子園に出場した時、予選では6試合で43得点を記録する猛打っぷりを見せてくれた。

古豪復活をアピールし、高松商業と共に香川の野球界を盛り上げる存在となることを期待したい。



最近では香川西や英明高校、寒川高校なども登場し、ますます激戦区になった香川県。実は甲子園での春夏通算勝利数122というのは全国でも17番目の数字、意外なことに古くから続く野球王国だったのだ。高松商業のように、今後も高校野球ファンを唸らせてくれることに期待したい。