「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

敦賀気比を追う福井商と福井工大福井 福井県の高校野球強豪校を紹介

2020 4/20 06:00山浦和樹
イメージ画像ⒸmTaira/Shutterstock.com

ⒸmTaira/Shutterstock.com

2連覇中の敦賀気比

敦賀気比は夏の福井大会2連覇中の強豪だ。2014年と2015年にも2年連続で甲子園出場を果たしており、県を代表する高校と言えるだろう。

2020年のチームにもその強さは受け継がれており、2019年の秋季大会も決勝で敦賀に27-4で勝利するなど実力を見せつけた。北信越大会では準優勝の日本航空石川に破れたものの、新潟代表の加茂暁星に10-0でコールド勝ちを収めるなど、全国区の強さを発揮した。

地方の強豪校といえば全試合を圧倒的な差で勝利するイメージを持つ方もいるだろうが、敦賀気比の場合少し違う。2019年の戦いを見ると、4試合中3試合で3点差以内の試合を展開(残り1試合は5点差)している。特に決勝は3-0で完封勝ち。甲子園でも3試合で8失点と安定した守備を見せた。

一方で秋季大会の結果を見ると打力の高さもうかがえる。昨年までは豪打がなくても確実に勝つ野球を展開していたが、今年は破壊力にも期待が持てそうだ。

上位常連の福井商

福井商は過去5年間で準優勝1回、ベスト4が2回、ベスト8が2回と確かな実績を残す県立の強豪だ。同校の特徴は、失点を抑えて粘り強く戦うところである。事実、過去5年で3失点以内にまとめたのが18試合中11試合もある。さらに2ケタ失点は1度も記録していない。

一方で2ケタ得点を挙げたのはわずかに3回しかないのだ。強豪校の特徴としてよく挙げられる「圧倒的な打力」を持っているとはいえないのである。

福井商は春17回、夏22回の甲子園出場を誇るものの、2013年を最後に甲子園から遠ざかっている。

また2020年になって、監督の不祥事も発覚。2013年の夏の甲子園で3回戦進出した名監督だけに残念である。ぜひ名門復活の快進撃を目指してもらいたいところだ。

最近10年で準優勝4回の福井工大福井

福井工大福井は、過去10年で4回決勝に進出、2012年には甲子園出場を果たしている県内の名門校だ。最後に決勝進出を果たした翌年の2016年から2018年までは3年間で2勝と苦しんでいたが、2019年大会でベスト4に入り復調の兆しを見せた。

そんな福井工大福井にはどうしても倒さなければならない相手がいる。県大会2連覇中の敦賀気比と、同じく強豪の福井商だ。

過去10年で敦賀気比に対して1勝5敗、福井商に対しても2勝3敗と負け越している。つまり、夏の県大会9敗中8敗をこの2校に喫しているのである。

特に敦賀気比に対しては2ケタ失点が3回と打ち込まれており、力の差を見せつけられている。県内の強豪相手になかなか勝ち星を挙げられずに苦しんでいるが、逆に言えばこの2校に勝てれば甲子園出場の可能性が高まるということだ。

ところで男子野球部が甲子園出場できなかった2019年夏、同校の女子硬式野球部は全国ユース大会を制覇した。女子に負けず男子も結果を残したい福井工大福井。お互いに刺激しながら成長した姿を見せてもらいたい。

敦賀気比がリードも予想が難しい福井の夏

2020年の福井の夏はかなり予想が難しい。2連覇中の敦賀気比が有力と思われるものの福井商、福井工大福井といった強豪が控える。

また坂井農と春江工が統合して3年目の2017年に優勝した坂井、2016年優勝の北陸も甲子園出場を狙える位置にいるだろう。さらには、2019年準優勝の丹生、2018年準優勝の若狭、2019年秋季準優勝の敦賀など実績のある高校がそろっている。

多くの高校に甲子園出場チャンスがある福井。2020年に新たな歴史を作るのはどの高校だろうか。

 コメント(0件)