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【侍ジャパン】吉田正尚の鮮烈デビューで外野がますます激戦に

2019 3/12 07:00勝田聡
吉田正尚,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

打率8割に満塁弾と鮮烈なデビュー

3月9日・10日の2日間にかけて、メキシコ代表と強化試合を行った日本代表・侍ジャパン。初戦は2対4で敗戦したものの、2戦目は6対0で快勝。対戦成績を1勝1敗で終えている。これからプロ野球がシーズン本番を迎えるため、代表チームは一旦解散。シーズン終了後の11月に行われるプレミア12で再び招集される。

今回の強化試合は菅野智之(巨人)、筒香嘉智(DeNA)、山田哲人(ヤクルト)といった代表の常連選手は不在。19歳の村上宗隆(ヤクルト)をはじめとした若手選手が主体のチーム構成だった。稲葉篤紀監督がプレミア12、そして2020年の東京五輪へ向け、新たな選手のチェックを目的としていたと言っていい。

そんな中、一際目をひいたのが、2015年ドラフト1位で青山学院大からオリックスへと入団した吉田正尚(オリックス)だ。ルーキーからの2年間は故障に泣かされたが、3年目の昨シーズンは143試合全試合に出場し、打率.321、26本塁打、86打点と結果を残した。173センチとプロ野球選手にしては小柄だが、見るものを魅了するフルスイングと圧倒的なパワーが自慢のスラッガーだ。

初戦は「5番・指名打者」で出場すると、初回2死一、三塁の場面で2球目を鮮やかに弾き返し、先制点を叩き出した。第4打席にも安打を放っており、デビュー戦は3打数2安打1打点と、上々の結果。

迎えた第2戦では、「4番・左翼」と初めて日本の4番に座る。無死満塁で回ってきた第1打席、前日と同じく2球目を捉えた打球は一直線で右翼スタンドへと吸い込まれていった。2日連続で先制点を挙げ、その後も犠飛を放ち、4番としてしっかりと役割を果たした。

2試合で5打数4安打、1本塁打、6打点と、文句のつけようがない結果だった。

今季の活躍で更なるアピールを

吉田の活躍にファンはもちろん、稲葉監督を始めとした首脳陣も喜んだことは間違いない。今シーズンの結果次第ではあるが、プレミア12そして東京五輪へ向けたメンバーに割って入りそうな勢いだ。

一方で「外野手として誰を選ぶのか? 」という問題も浮上してくる。今回は選ばれていないが、外野手では前回のWBCで4番を務めた筒香、チームリーダー的な役割を期待される秋山翔吾(西武)、その他にも柳田悠岐(ソフトバンク)、鈴木誠也(広島)もいる。また、短期決戦では重要となりそうな足のスペシャリスト西川遥輝(日本ハム)に、若手の上林誠知(ソフトバンク)と候補は目白押し。平田良介(中日)や丸佳浩(広島)といった選手もいる。

ただ、吉田と同じく左のスラッガータイプの筒香はこのオフにメジャー志向を公言しており、早ければ今シーズンオフにポスティング制度を用いたMLB挑戦の可能性もある。秋山も今シーズンで3年契約が切れ、海外FA権を行使する可能性を否定していない。仮に両選手がMLBへ移籍となれば、東京五輪への出場ができなくなる可能性が高く、メンバー構成にも大きな影響を与えることは間違いない。

もちろん、現段階で筒香や秋山がどのような去就となるのかは定かではない。しかし、侍ジャパンを預かる監督としては「備え」を行っておかねばならない。そのために稲葉監督は吉田を代表に呼んだのだろう。

予想以上の結果を残しており、日本球界屈指の強打者であることは間違いない吉田だが、故障も多く1年を通して出場したのは昨シーズンのみ。また、侍ジャパンの外野手は競争が激しく、筒香や秋山の去就に左右される可能性もある。

このような状況の中、今秋のプレミア12で吉田は侍ジャパンの一員として選ばれるのだろうか。文句無しで選出されるには、今シーズンさらなるアピールにつながる活躍をすることが大事になってくる。

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