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平成25年 マー君24連勝で楽天初V 【平成スポーツハイライト】

2019 1/6 11:00SPAIA編集部
田中将大,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

前年に結婚、メジャー希望を表明

先発投手が登板間隔を空けるようになり必然的に登板数が減るため、15勝すれば一流と呼ばれる時代。平成25年(2013年)に楽天・田中将大がマークした24勝はずば抜けた記録だ。

平成に入ってから20勝を挙げたのは巨人・斎藤、中日・西本、巨人・上原、阪神・井川、ダイエー・斉藤、楽天・岩隈と田中を含めて7人(巨人・斎藤は2度)いるが、シーズン無敗で終えたのは田中だけ。しかも歴代の最多勝投手で24勝以上挙げたのは昭和53年の近鉄・鈴木啓示(25勝)まで遡らなければならず、いかに偉大な記録か分かるだろう。

駒大苫小牧からドラフト1位で楽天に入団した田中はルーキーイヤーから11勝をマーク。5年目には19勝で初の最多勝に輝いた。

平成25年はプロ7年目。前年にタレントの里田まいと結婚し、オフにはメジャー希望を表明するなど、期するものがあったシーズンだった。

復興途上の東北の希望の星

平成25年は、3月に日本代表として出場したWBCから帰国して迎えたシーズンだった。例年より仕上がりが早かったのが功を奏し、4月は4試合で3勝0敗。その後も連勝を続け、8月2日の日本ハム戦で開幕から15連勝とし、間柴茂有(昭和56年)と斉藤和巳(平成17年)の日本記録に並んだ。さらに8月9日のソフトバンク戦で新記録の開幕16連勝をマーク。同時に前年から20連勝となり、松田清(昭和26~27年)と稲尾和久(昭和32年)の日本記録に並んだ。

まだ止まらない。9月6日の日本ハム戦で稲尾(昭和32年)に並ぶシーズン20連勝を達成。9月21日の日本ハム戦では平成20年の岩隈久志を上回る球団新記録の22勝目を挙げた。

そして、初優勝へマジック2で迎えた9月26日の西武戦。2年前に起きた東日本大震災から復興途上だった東北にとって、田中の活躍はまさに希望そのものだった。1点リードで迎えた9回裏にリリーフで登板すると、走者を2人出したものの無失点で抑えた。2位のロッテが先に敗れていたため、東北悲願の初優勝。田中は胴上げ投手となった。

勢いはポストシーズンに入っても止まらなかった。ロッテとのクライマックスシリーズ、巨人との日本シリーズでも快“投”乱麻の大活躍。日本シリーズ第7戦では、前日に先発して160球を投げていたにもかかわらず3点リードで迎えた9回から登板。無失点に抑えて初の日本一を決め、またしても胴上げ投手となった。

結局、この年は最多勝(24勝)、最優秀防御率(1.27)、最高勝率(1.000)、MVP、沢村賞、ベストナインなどタイトルを総なめ。ポスティングシステムで胸を張ってヤンキース移籍を決めた。

すでに日米通算163勝

ヤンキースとは7年総額1億5500万ドルの超大型契約。メジャーに移籍してからも変わらない安定感を発揮し、平成30年まで5年連続2桁勝利を挙げている。すでにメジャーだけで64勝。日本の99勝と合わせて163勝をマークしている。

田中はまだ30歳。この先、どんな伝説をつくるのか。平成が終わっても田中の物語は終わらない。