横浜スタジアム・札幌ドームでネット拡大
まず始めに日本のプロ野球に目を向けてみると、現在はほとんどの球場で一塁・三塁の両軍ベンチ付近までネットは設置されている。安全性の確保をするために、外野まで範囲を拡大している球場もあるほどだ。
そして、新たに今シーズンから横浜スタジアム、札幌ドームで防球ネットが増設されることとなった。これは近年、ファウルボールや折れたバットが、スタンドに飛び込み事故があったことを受けてのものだ。これで両球場ともに安全度は上がり、危険度は減少するだろう。
とくに札幌ドームは2010年に起きた試合観戦中のファウルボールによる失明事故が起きた現場でもある。その失明した観客が球団、札幌ドーム、札幌市に対して訴訟を起こしており『ファウルボール訴訟』と呼ばれていた。(この一件はすでに2016年に札幌高裁から日本ハムへ約3357万円の支払い命令が出ている)こういった背景もあり球団・球場ともに改善に取り組んできた。
楽天の本拠地であるクリネックススタジアム宮城(現楽天生命パーク)においても、同様の事故が起きていた。この一件も事故にあった観客が訴訟を起こしているが、こちらは敗訴している。
このネット設置により危険度は減少するものの、スポーツ観戦の醍醐味でもある臨場感が同時に失われてしまう。そのために、少なからずファンから不満はあがっている。ネットの編み目、支える柱などでグラウンドが見えにくい座席があるのは事実だが、子供やお年寄りの方でも安全に楽しめる球場にするためには、致し方ないことだろう。今後は事故がない安全性の高い球場で、いかに臨場感を失わずに観戦してもらえるかを打ち出していくことが、鍵となるかもしれない。














