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【強豪3選】野球界に大きく貢献!?北海道の社会人野球チーム

2017 10/13 11:07Mimu
野球ボール、グローブ
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Photo by StefanoT/shutterstock.com

近年高校野球でもその活躍がめざましい北海道勢だが、実は社会人野球を語る上でも、欠かせない地域でもある。 いったいどんな強豪チーム・伝統チームがあるのだろうか。 今回は3チームに絞って紹介していく。

【室蘭シャークス】蘇った北海道屈指の強豪チーム

まず紹介するのは、室蘭シャークスだ。創部は1995年だが、その母体となった新日本製鐵室蘭硬式野球部は1939年から活動している伝統チームだった。新日鐵のスポーツ支援部門見直しによって一度は解体となったものの、有志たちによって再びチームが結成され、クラブチーム「室蘭シャークス」が誕生したのだ。

新日鐵室蘭時代から全国大会に数度出場していたが、室蘭シャークスになってからも都市対抗野球に3度、全日本選手権に3度の出場経験がある。最近でも、2014年の都市対抗に出場した。主な輩出選手としては、2002年、2003に西武ライオンズで2ケタ勝利を挙げた三井浩二さんや、2014年のドラフト5位で入団した瀬川隼郎選手などがいる。

【室蘭シャークス】地元の選手がチームを盛り上げる!

室蘭シャークスの選手たちは、地元である北海道出身の選手たちが多い。2016年の秋に入団した元オリックスの佐藤峻一選手も北海道出身(道立北見柏陽高校卒)、現在プロ注目と言われている下川原駿選手も、同じく北海道出身だ。
道立浦河高校から室蘭シャークスに入団した選手で、当時はプロ6球団が注目するほどの逸材だった。1年生の時には、道内の強豪・鵡川高校を相手に、延長13回220球完投勝利を収めたこともあるほどだ。社会人野球の舞台でさらなる成長を遂げ、NPB挑戦となるだろうか。

【JR北海道】2017年からはクラブチームとして再出発

続いてはJR北海道を紹介しよう。創部は1909年で、これは日本でも最古の「企業チーム」だった。しかし、2017年からは規模をやや縮小し、「クラブチーム」として再スタートする。企業チームというのは会社によって結成されたチームで、選手たちは社員としてチームに在籍し、給料もその会社から支払われる。
一方で、クラブチームはあくまで有志によって結成されたチームで、選手たちは別に仕事を持ちながら野球をする、というのが特徴だ。

JR北海道の場合、現在も選手たちは社員であることには変わらず、給料も会社から支払われる。しかし、野球は企業活動ではなく、同好会的な活動になってしまうのだ。そのため、業務時間中に練習を行うことができず、業務後や土日の練習が中心になるのだが、これがどう影響するだろうか…。

【JR北海道】実績は道内で1番!プロも多数輩出

それでも、道内屈指の実績・実力を持っていることには変わらない。都市対抗野球大会へは16度、全日本選手権へは8度の出場を誇る。ここ数年は室蘭シャークスとのほぼ一騎打ちで、全国大会への切符を争っている。2016年はどちらの大会にも出場した。最高記録は2007年のベスト4。全国でも屈指の強豪チームだ。

プロ野球選手も7人輩出してきた。最も最近の選手は、2011年のドラフト1位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入団した武藤好貴選手だ。中継ぎ投手としての活躍が印象的で、2015年には60試合に登板した。

また、JR北海道の現役選手の中での注目は、西嶋亮太選手だろう。東海大第四高校(現・東海大札幌)時代に出場した2014年の夏の甲子園で、超スローカーブを披露した選手だ。JR北海道に入社後は苦戦しているようだが、またあの時のように世間を驚かせてほしいものだ。

【函館大洋倶楽部】社会人野球を語る上で欠かせないチーム!?

最後に紹介するのは函館大洋倶楽部(オーシャンクラブ)だ。こちらも1907年に創部された、日本で最古のクラブチームだ。都市対抗野球には15回出場しているのだが、その回数以上に、大会の発展に大きく貢献してきたチームでもある。
特にこの函館大洋倶楽部、および都市対抗野球を語るうえで欠かせない存在なのが、久慈次郎さんだ。現在の都市対抗野球では敢闘賞に当たる「久慈賞」が優秀な選手に贈られているが、その久慈賞に名前を残すのが、久慈次郎さんなのだ。

【函館大洋倶楽部】久慈次郎氏の功績とは

久慈次郎さんは、まだプロ野球が発足する前、1920年代から活躍していた選手だった。当時日本最高の捕手といわれ、全日本のキャプテンにも就任。日米野球では沢村栄治さんとバッテリーを組んでいたこともあったほどだ。
また、1934年に函館で大規模な火災が起きた際には、その復興にも尽力しており、野球関係者以外からも厚く信頼されている。その後もアマチュア野球界の発展に力を注ぎ、その功績が讃えられて「久慈賞」が創設されたのだ。

まとめ

このように、社会人野球の歴史と北海道は、切っても切れないような密接な関わりを持っている。 今の社会人野球というものは、彼らが積み重ねてきた歴史とも言えるのだ。 今後もこの北海道地区に注目していこう。