初戦から好スタートの侍ジャパン
1次ラウンド・プールBの試合は東京ドームで開催され、日本はキューバ、オーストラリア、中国と対戦した。
開幕戦のキューバ戦では打線が爆発、1回に先制点を奪うと3回に追いつかれたものの5回に5点、7、8回にも2点を入れて11-6で勝った。中軸はもちろん、8番松田選手、9番小林選手の活躍も目立った試合だった。
第2戦のオーストラリア戦では、序盤リードを許したが、5回に追いつくと7回に逆転、8回に追加点を加えて4-1で勝利、先発菅野投手から岡田投手、千賀投手、宮西投手、牧田投手という投手リレーで失点を1に抑えた。中田選手、筒香選手の新旧4番コンビが本塁打を放ち、勝利を決定づけた試合だった。
2次ラウンド1位通過が決まった後の中国戦は7-1で快勝、これによって4度のWBCで初めて3戦全勝で1次ラウンドを通過した。
全身全霊をかけた4時間46分の闘い
2次ラウンド・プールEの試合も東京ドームで行われ、侍ジャパンの戦いはオランダ戦から始まった。
日本は2回に先制、3回に5番中田選手がレフトへ3ラン、8番秋山選手の安打で5-1とリードするも、その裏に同点に追いつかれ、先発石川投手がマウンドを降り、4回からは2番手の平野投手が登板した。
5回には小林選手の中前適時打で再度勝ち越したが、9回にストッパー起用された則本投手からオランダが1点を奪い試合は延長戦へ、マウンドには9番手の牧田投手が投入された。
延長11回、無死1、2塁のからスタートするタイブレークに突入。鈴木選手が送りバントで1死2、3塁、中田選手がレフトへ2点タイムリーを放つと、これが決勝点となり、4時間46分にも及んだ死闘を8-6で制したのだった。
快進撃を続ける侍ジャパン
2次ラウンド第2戦は、3月14日のキューバ戦だった。
先発は菅野投手、1回に1番山田選手の先制打者アーチ、2回に2点返され、3回に4番筒香選手の同点適時打が出るが、4回にまた2点リードされ、5回からは2番手平野投手がマウンドへ。日本は5回に2点を入れて4-4、6回に1点リードされるが、9番小林選手の左前適時打で同点の5-5となった。
8回に代打内川選手が右犠飛を放って勝ち越すと、さらに山田選手の左中間への2ランで8-5とし、最終回を牧田投手が締めて、後手を踏む格好だった苦しい戦いを見事勝ち抜いた。
波に乗る侍ジャパンは15日に行われたイスラエル戦も8-3で勝利し、小久保監督も「勝つパターンができた」とインタビューで答えるなど、6連勝という輝かしい結果で準決勝へ進出した。
準決勝!舞台はドジャー・スタジアム
アメリカとの準決勝、先発菅野投手が好投を見せるが、4回に菊池選手のエラーでランナー2塁となり、マカチャン選手が先制タイムリー。6回に菊池選手がミスを挽回する同点ホームランで1-1、菅野投手は81球でマウンドを降りた。
7回からは千賀投手が登板、3者連続三振に仕留めるが、追加点が取れずそのまま8回へ。8回表に連打を浴びて1アウト2・3塁となり、松田選手のファンブルで3塁ランナーが生還して1-2、その裏内川選手のヒットなどで2アウト1、2塁とし、打席には4番筒香選手、一瞬ホームランかと思われた打球は伸びが足りずライトフライに。最終回は平野投手が無失点で最後の攻撃に望みをつなぐが、3人で終わり、悲願の世界一奪還はならなかった。
小久保監督は「ホームが遠い、そういう試合だった」とコメントしており、敗因には動く速球への対応や失点の仕方なども挙げられた。
特に注目された選手は?
今大会のベストナインには千賀投手が侍ジャパンで唯一選ばれた。「お化けフォーク」と言われるフォークボールを武器に1次ラウンドのオーストラリア戦で4奪三振無失点、2次ラウンドのイスラエル戦5回無失点と好投した。
準決勝に先発した菅野投手は制球力に優れ、メジャーの主力打者から三振を奪うなど、一歩も譲らない投球を見せて注目され、MLBの公式サイトで菅野投手の特集が組まれたほどだ。
捕手として投手を丹念にリードした小林選手は捕球も的確、さらに9番で打席に立つと2ランや勝ち越しのタイムリーを放つなど、ここぞという場面で大活躍を見せて一躍脚光を浴びた。また、4年連続でゴールデングラブ賞を受賞した菊池選手の高い守備力も注目され、MLB公式サイトでも世界レベルと称賛された。
まとめ
WBCで7試合を戦った侍ジャパンは熱戦の連続で、数々のファインプレーも見せてくれた。
1戦ごとにヒーローも生まれ、野球の面白さを再認識させてくれた。
侍ジャパンで注目された選手たちの今後の活躍も大いに期待したい。