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指導方法もこんなに違う!アメリカの少年野球とは?

2017 7/10 10:25cut
少年野球
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Photo by Suzanne Tucker/Shutterstock.com

野球始めたのは少年野球から、という人は多い。しかし、同じ少年野球でも、日本とアメリカでは取り巻く環境が大きく違う。 今回は指導を含めた日本、アメリカにおける少年野球の違いを紹介する。

目的によってチームが分かれる

アメリカの少年野球には大きく2つのカテゴリーに別れる。トラベルチームとレクリエーションチームだ。トラベルチームは勝つことを目的としており、試合をするための遠征も多く、トライアウトも存在する。有名なチームになると、トライアウトに毎年100人以上も参加希望者がいることもある。
もう1つがレクリエーション(娯楽)のための野球をするチームで、ハウスチームとも呼ばれている。メジャーリーグを目指したりするわけではなく、あくまで趣味として野球をプレーしたい少年が集まるのだ。このクラス分けによって、目的が違う子供が一緒になることがなくなるのだ。

マイナー選手やコーチングのプロが指導を行っている

アメリカの少年野球の指導者は、マイナーリーガーが行うことも珍しくない。パーソナルトレーニングとして1回50ドルといった料金でマイナーリーガーが個人的にプレーを教えてくれるのだ。
また、少年野球のコーチを職業としている「コーチ屋」も存在する。トラベルチームはこいういった「コーチ屋」を雇ってチームを強化することもある。

試合に出ることができるチーム分け

1チームあたり10人から15人程度でチーム編成をされることが多く、試合の時には全員が出場可能だ。また、日本と大きく違うのは、守備時の選手入れ替えが自由なこと、打順が9人固定ではなく全員回るようにしても良くなっていることが挙げられる。
大きな大会では規定があるが、練習試合などでは選手全員が試合に出られる配慮がなされている。実戦の中で野球がうまくなる。もしくは、楽しむ。ということを重視しているのが特徴だ。

指導はない!?アメリカは長所を伸ばす

アメリカの少年野球の指導はほとんどない。打撃フォーム、守備の構えを見ても個性があり、指導しているようには見えない。これは、少年野球では自分の思うとおりにプレーさせ自分の型を作らせるためだ。少年野球時代のフォームから大きく変わらず、不格好なままでもメジャーリーガーになる選手はおり、自主性を重んじられるのだ。
また、エラーや三振などで怒られることもない。失敗しても「よく挑戦した!」と褒められるのだ。こういった環境でアメリカの野球少年は育っていくのだ。

1年間野球をやるわけではない

アメリカの少年野球チームの活動は、3月から5月を中心とした春に活動を行う。日本と大きく異なる点でもある。その他のシーズンは、野球ではなくバスケットボール、水泳、アイスホッケーといった他の競技を行っている。これは少年野球だけでなく学生も同じだ。
メジャーリーガーでもNFLのドラフトにかかっている選手も存在しているほどだ。子供のうちにスポーツを1つに絞るのが常識である日本と、さまざまなスポーツを行わせるアメリカとは文化が違うということだろう。

まとめ

同じ少年野球といっても、日本とアメリカには明白な違いがある。 文化自体が違うので、どちらが「正しい」「正しくない」ということはない。 さまざまな指導方法、さまざまな考え方があり、そんな環境の中で野球少年たちは自らを磨いている。