サプライズのなかった代表メンバー
第4回WBCの日本代表登録メンバーが発表されました。ほぼ、順当な選出をなっておりサプライズはありません。小久保裕紀日本代表監督が就任後に試してきた選手が選ばれており納得のものとなったと言えそうです。しかし、中島卓也選手(日本ハム)、大谷翔平選手(日本ハム)の出場辞退があり田中広輔選手(広島)、武田翔太選手(ソフトバンク)が選出されたことは予想外となったかもしれません。
★代表メンバー(敬称略)
【監督:1名】
小久保裕紀
【コーチ:6名】
権藤博
奈良原浩
大西崇之
仁志敏久
稲葉篤紀
村田善則
【投手:13名】
平野佳寿(オリックス)※
増井浩俊(日本ハム)
宮西尚生(日本ハム)
牧田和久(西武)
則本昴大(楽天)
菅野智之(巨人)
秋吉亮(ヤクルト)
千賀滉大(ソフトバンク)
石川歩(ロッテ)
松井裕樹(楽天)
藤浪晋太郎(阪神)
岡田俊哉(中日)
武田翔太(ソフトバンク)
【捕手:3名】
大野奨太(日本ハム)
嶋基宏(楽天)
小林誠司(巨人)
【内野手:6名】
中田翔(日本ハム)
松田宣浩(ソフトバンク)
菊池涼介(広島)
坂本勇人(巨人)
山田哲人(ヤクルト)
田中広輔(広島)
【外野手:6名】
内川聖一(ソフトバンク)
秋山翔吾(西武)
鈴木誠也(広島)
筒香嘉智(DeNA)
青木宣親(アストロズ)
平田良介(中日)
【予備登録選手:9名】
平野佳寿(オリックス)
野村祐輔(広島)
大瀬良大地(広島)
澤村拓一(巨人)
森福允彦(巨人)
石田健大(DeNA)
山崎康晃(DeNA)
増田達至(西武)
岩貞祐太(阪神)
※平野選手はメンバーですが予備登録選手に含まれています。
大谷選手の辞退
日本代表メンバー発表後に大谷選手が右足首の故障により辞退となりました。報道によると2016年の日本シリーズで痛めた箇所が回復しないとのことです。野手としての出場は可能だが投手としては出場できない状態でした。小久保監督は苦渋の決断をし、大谷選手をメンバーから外すことにしたのです。
大谷選手の辞退は日本だけでなく、アメリカでも大きく報道されるほどの衝撃を与えたのです。『今回のWBCで観客を呼べる選手の一人』という触れ込みもあるほど『日本のベーブルース』こと大谷選手は注目されていたのです。
大谷選手の代わりに招集された武田選手は追加招集が決定する前から、WBC球で練習していたといい準備は万全です。伝家の宝刀でもあるカーブを武器にWBCで戦います。
また、2大会ぶりにメジャーリーガーが参戦しました。ダルビッシュ有選手(レンジャーズ)、田中将大選手(ヤンキース)、前田健太選手(ドジャース)といったエース級は出場できませんでしたが青木選手が参加を表明したのです。青木選手は2009年以来2大会ぶり3度めの出場です。プレーだけでなく各国のメジャーリーガー情報など情報源としても期待されています。
1次ラウンドの対戦相手は?
日本代表は1次ラウンドでキューバ、オーストラリア、中国と対戦します。
キューバは第1回大会決勝で対戦するなど過去3大会、全てで対戦しており3勝1敗と日本に分があります。しかし、前回大会で3-6と敗れており1次ラウンドで最も注意が必要な国となりそうで
す。
キューバ代表メンバーにメジャーリーガーは選出されていません。しかし、NPBで活躍したアルフレッド・デスパイネ選手(元ロッテ)、フレデリク・セペダ選手(元巨人)の2人が入っており日本野球については情報が入っていることが予想され油断はできません。
オーストラリアと日本代表はWBCで対戦したことはなく、前回大会の直前に壮行試合として対戦した際は2戦2勝と相性は悪くありません。しかし、2004年のアテネオリンピックで2連敗を喫しており油断できません。2015年シーズン、ヤクルトに所属したミッチ・デニング選手や2014年シーズン、楽天に所属したトラビス・ブラックリー選手といった日本に在籍経験のある選手を招集。また、アメリカで活躍するマイナーリーガーも多数揃えており初の1次ラウンド突破を狙います。
1次ラウンドで力が劣ると言われているのが中国です。日本は中国に敗戦したことがなくWBCでも過去3回全てで対戦し3勝0敗となっています。しかし、2006年の第1回大会は18-2だったものの第2回大会は4-0、第3回大会は5-2と徐々に点差を詰められており、実力がついてきたのがよくわかります。油断すると足元をすくわれかねません。
NPB所属選手も多くの国で代表入り
NPB各球団で活躍する外国人選手も代表選手として招集されています。
昨年11月に強化試合で戦ったメキシコ代表にはブランドン・レアード選手(日本ハム)、ルイス・クルーズ選手(巨人)、ジェフェット・アマダー選手(楽天)が招集されておりメジャーリーガーたちと共演します。
前回大会で準決勝進出を果たしたオランダ代表にはウラディミール・バレンティン選手(ヤクルト)、リック・バンデンハーク選手(ソフトバンク)が名を連ね投打の軸として期待されています。
陽岱鋼選手(巨人)は出場辞退となりましたがチャイニーズタイペイ代表にはチェン・グァンユウ選手(ロッテ)、郭俊麟選手(西武)の投手陣が名を連ねます。
ベネズエラ代表にはロベルト・スアレス選手(ソフトバンク)、カナダ代表にはスコット・マシソン選手(巨人)と中継ぎエースたちが招集されており試合終盤での登板が予想されます。
二連覇を狙うドミニカ、開催国のアメリカに注目
多くのメジャーリーガーが揃ったこの大会。注目は二連覇を目指すドミニカ、そして開催国であるアメリカでしょうか。
ドミニカは前回同様に名だたるメンバーを揃えており二連覇へ向けて本気で取り組んでいることがうかがえます。エース投手に昨シーズン18勝を挙げているジョニー・クエト選手(ジャイアンツ)を招集。野手陣では10年2億4000万ドルという巨額契約を結んだロビンソン・カノー選手(マリナーズ)、強打の三塁手エイドリアン・ベルトレー選手(レンジャーズ)と豪華メンバーが揃っています。
アメリカはエースとして期待されたマックス・シャーザー選手(ナショナルズ)が、故障のため出場を辞退しました。しかし、昨シーズンのアメリカンリーグチャンピオンシップでMVPの活躍をしたアンドリュー・ミラー選手(インディアンズ)、16勝を挙げたターナー・ロアーク選手(ナショナルズ)などが名を連ねています。野手はイチロー選手(マーリンズ)の同僚でもあるリーグ屈指のパワーヒッター・ジャンカルロ・スタントン選手、若き正捕手バスター・ポージー選手などスター軍団が揃え初優勝を狙えそうです。
これらの国と日本代表が対戦するのは準決勝以降となりますが、メジャーリーグファンは予選ラウンドから注目したいところです。
4年に1度の祭典となるWBC。日本代表は第1回、第2回と連覇を果たしましたが第3回大会では準決勝敗退となってしまいました。その雪辱を晴らすべく今大会での世界一奪還を期待します。