2013年・第3回WBCを振り返る~国内組で挑んだ国際大会~|【SPAIA】スパイア

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2013年・第3回WBCを振り返る~国内組で挑んだ国際大会~


メジャーリーガが初めて不参加

2013年に行われた第3回WBCのメンバーにメジャーリーガーは不在。初めて国内組だけでの代表構成となった。

★代表メンバー(敬称略・所属は当時)

【監督:1名】
山本浩二

【コーチ:7名】
東尾修
梨田昌孝
与田剛
立浪和義
高代延博
緒方耕一
橋上秀樹

【投手:13名】
涌井秀章(西武)
能見篤史(阪神)
澤村拓一(巨人)
今村猛(広島)
田中将大(楽天)
杉内俊哉(巨人)
前田健太(広島)
森福允彦(ソフトバンク)
内海哲也(巨人)
大隣憲司(ソフトバンク)
牧田和久(西武)
山口鉄也(巨人)
攝津正(ソフトバンク)

【捕手:3名】
相川亮二(ヤクルト)
阿部慎之助(巨人)
炭谷銀仁朗(西武)

【内野手:7名】
鳥谷敬(阪神)
井端弘和(中日)
松田宣浩(ソフトバンク)
坂本勇人(巨人)
松井稼頭央(楽天)
稲葉篤紀(日本ハム)
本多雄一(ソフトバンク)

【外野手:5名】
糸井嘉男(オリックス)
中田翔(日本ハム)
内川聖一(ソフトバンク)
長野久義(巨人)
角中勝也(ロッテ)

過去2大会でチームを引っ張ったイチロー選手(マリナーズ)、エース候補だったダルビッシュ有選手(レンジャーズ)、岩隈久志選手(マリナーズ)が出ることのできない苦しいメンバーとなったのだ。

苦戦した第1ラウンド・ブラジル戦

WBCが開幕する前の2月中旬から5試合の壮行試合を行ったWBC日本代表だが3勝2敗と波に乗れない。調整ではあったが2試合で完封負けを喫するなど不安が残るスタートとなった。
そのような状況の中でも時は経ち日本は第1ラウンド初戦を迎えることになる。初戦の相手は同グループ内では格下に見られていたブラジル戦だった。ブラジルのメンバーはメジャーリーグ傘下のマイナー所属選手、NPB所属の日系ブラジル人選手、社会人野球選手で構成されていた。
日本戦で先発したのはヤクルトに所属していたラファエル・フェルナンデス選手だった。フェルナンデス選手はNPB所属ではあったが前年の2012年は9試合の登板で防御率7.11と結果を残せていない。日本代表は簡単に打ち崩してくれるだろうと多くのファンは思っていたはずだ。

しかし、フェルナンデス選手を打ち崩すことはできず3回まで1-1とリードを奪うことはできない。球数制限もありフェルナンデス選手が降板した4回に日本代表は1点を奪い同点に追いつく。しかし、直後に同点に追いつかれ続く5回には2-3と逆転を許してしまう。
試合はそのまま終盤戦にもつれ込む。8回表に無視から走者を出した日本代表は4番糸井嘉男選手に送りバントをさせ得点圏のチャンスを作る。その後、井端弘和選手の右打ちによるタイムリーヒットが生まれ同点に追いつくと連打で一気に3点を奪取。5-3と逆転しそのまま逃げ切る。
楽勝と思われていたブラジル戦でよもやの苦戦。第3回WBCは苦難の船出となったのだ。

第2ラウンドの名実況「鳥谷がスタートしている!」

第1ラウンドではブラジルに苦戦しキューバに敗れるなど苦しみながらも第2ラウンドに駒を進めた日本代表。初戦はチャイニーズタイペイだった。
チャイニーズタイペイは元メジャーリーガー、NPBで活躍する主力選手が揃っておりアジアでも強豪国の一つとなっている。この大会でも王建民選手(前ナショナルズ)、郭泓志選手(前カブス)、林 哲?選手(アストロズ傘下)といったメジャーリーガー、マイナーリーガーが参加していた。
NPBで活躍している選手では陽岱鋼選手(日本ハム)、王溢正(DeNA)選手らが名を連ねていた。

この試合でチャイニーズタイペイの先発はかつてヤンキースでもプレーし19勝を挙げ最多勝にも輝いた王選手だった。日本は王選手のカットボールを打ちあぐね6回まで無失点に抑え込まれる。日本投手陣はチャイニーズタイペイ3回、5回に1点ずつを奪われ7回裏終了時点で0-2とブラジル戦のように劣勢に立たされる。
日本代表は8回表に井端選手、内川聖一選手、阿部慎之助選手の連打で1点を返しさらに坂本勇人選手もタイムリーヒットを放ち2-2の同点に追いつく。第1ラウンドのブラジル戦同様に土壇場での粘りを見せたのだ。
しかし、その裏に3イニング目となった田中将大選手が捕まり勝ち越しを許してしまう。 2-3で迎えた9回表の日本代表は1死から鳥谷敬選手が四球で出塁。長野久義選手が倒れ2死となった後に鳥谷選手が盗塁を決める。この時の実況アナウンサーが発した「鳥谷がスタートしている!」は名実況として多くの賞賛を浴びた。
2死二塁と状況が変わった直後に井端選手がタイムリーヒットを放ち同点に追いつく。この一連の場面が第3回WBCのハイライトと言えるだろう。 試合は延長戦に入り10回表、中田翔選手が犠牲フライで1点を取ることに成功し日本代表は4-3で辛くも勝利した。

準決勝での重盗失敗

第1ラウンド、第2ラウンドと激闘を繰り広げて準決勝へ名乗りを上げた日本代表は決戦の地サンフランシスコに乗り込んだ。現地でメジャーリーグのサンフランシスコ・ジャイアンツ、シカゴ・カブスと強化試合を行い準決勝に挑む。
準決勝の相手は中南米の雄であるプエルトリコだ。プエルトリコ代表はメジャーリーガー、マイナーリーガー、NPB所属選手、メキシコリーガーで構成されており決して最強チームとはいえなかった。
しかし、メジャー最強捕手として君臨するヤディヤー・モリーナ選手(カージナルス)、リードオフマンであるアンヘル・パガーン選手(ジャイアンツ)など好選手が揃っており強豪であることには違いない。


日本代表はエースである前田健太選手を先発に立て決戦に挑む。しかし、初回に1点を失い劣勢で試合は進む。6回終了までこの1点のみで試合は進み0-1のまま終盤戦である7回に突入。ここで能見篤史選手がアレックス・リオス選手(ホワイトソックス)に2点本塁打を浴び0-3と3点のリードを許してしまう。 この劣勢の中、8回裏に日本代表は反撃を見せる。鳥谷選手が三塁打で出塁し井端選手がタイムリーを放ち1点を返し続く内川選手も続く。1死一、二塁で打者は阿部選手とチャンスは続く。
阿部選手の2球目に悲劇が起きた。二塁走者の井端選手がスタートを切る構えだけ見せたのに対し一塁走者の内川選手がスタートを切ってしまったのだ。捕手のモリーナ選手は落ち着いて内川選手を追い詰め一、二塁間でタッチアウトとなってしまう。 このプレーで反撃ムードは冷めてしまい。追加点を奪うことはできず1-3で敗退してしまったのだ。 この重盗失敗は中途半端なプレーとされ山本監督、内川選手は大きな批判を浴びた。しかし、誰も他の人のせいにせず自分が悪いと語り続けている。

戦いのあとで

大会三連覇を目指して臨んだ日本代表だったが第1ラウンド、第2ラウンドとも苦戦を強いられ準決勝で敗退。様々な面で課題が残った大会だった。 この敗戦以降、野球日本代表を取り巻く環境は大きく変わる。侍ジャパンのための株式会社である株式会社NPBエンタープライズを発足させたのだ。これは、トップチームだけでなく下の世代、女子に至るまでの日本代表を取りまとめることが目標だ。
侍ジャパン日本代表トップチームは小久保裕紀監督を据え2017年の第4回WBCを目指すこととなった。 毎年、強化試合、国際大会が各世代で行われるようになり日本代表の強化が少しずつではあるが行われており2017年WBC、2020年東京五輪に向けて期待が膨らむ。
WBCでの敗戦を糧にし組織の一本化を図った日本代表の今後に期待したいと思う。

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