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見えない努力の結晶!車椅子マラソン競技の練習方法とは

2017 7/10 10:25TANANA
車椅子マラソン
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Photo by blurAZ/Shutterstock.com

見た目にはスピード感溢れる華やかなレースが展開される車椅子マラソンだが、世界の一流選手と互角に渡り合うためには、それに見合う厳しく激しい毎日の練習の積み重ねがある。 今回は、車椅子アスリートたちがどのような練習をしているのか紐解いてみよう。

各種大会に臨む車椅子アスリートの基本的な練習方法に迫る

まず最初に、車椅子アスリートたちの基本的な練習を見ていこう。彼らが大会で最高のパフォーマンスを発揮するためには、上半身の筋力強化が最重要項目となる。車椅子を競技終盤まで自由自在に力強く動かすために必要な要素となるからだ。
エキスパンダーやアームバー、ダンベルといった筋トレ用具を、綿密に組まれたプログラムに基づいてしっかりと使用していく。そして意外なことに、水泳もトレーニングには必要不可欠なものとなっているのだ。全身を使った運動で基本的な体力をつけるのに最適なトレーニングだからだ。

車椅子マラソンアスリート独自の練習方法とは

次に、車椅子マラソンに参加するアスリートたち特有の練習方法を見ていこう。車椅子マラソンでは、いかに速く長距離を駆け抜けるかが大きなポイントとなるので、そのためには腕力の強化が必要不可欠となっている。
一流選手にもなると、万全の設備が整った専用練習場において、時間あたりの腕の回転数を調べるなど、綿密なパフォーマンスを測定する。そして、効率よく車椅子を回し、スムーズなレース運びができるように、フォームも重要となる。
肩甲骨が大きく動いているか、肘がしっかり伸びているかなど複数のチェック項目があり、これらをクリアしてようやくフィールド上での練習が始まる。

本番に備えた最重要トレーニングとも言えるロードワーク

基本的なトレーニングを積んだ後は、実戦に慣れるためにロードワークに出る。トラック競技では整備されたフィールド上で競走を行うが、マラソン選手の場合はトラックの他にも市街地の道路上を走らなければならず、坂道や思わぬ悪コンディションのフィールドにも対応できる術を身に付けておかないといけないからだ。
さらに、必ずしも真っすぐな道ばかりを走るわけではなく、時には急カーブを曲がらなければいけないこともあるので、しっかり車椅子を操縦する練習も行わなければならない。

車椅子マラソンアスリートの練習環境

近年、障がい者アスリートの増加に伴い、練習環境も徐々に整備されつつある。競技用車椅子に慣れるための室内練習機が国内で数社から販売されており、障がい者センターに問い合わせをすれば適切な機器のアドバイスをしてくれる。また、筋トレやフォームのチェックなどができる各種設備を整えている施設もあり、室内練習に関しては環境整備が進んでいる。
一方で、ロードワークなどマラソンの実戦練習を行う環境にはまだ課題が残っている。日本の交通事情などにより市街地での試走が思ったようにできないからで、今後の整備が待たれる。

車椅子マラソンアスリートの実際の練習方法を公開

西田宗城選手は、2014年、2015年の大阪マラソンに優勝するなど、国内屈指の実力者として知られている。
彼は毎日、地元大阪の海沿いでロードワークを行っている。周辺はサイクリングロードでもあるので、車椅子マラソンよりも早い速度で走っている自転車の人たちの後ろに付くような形で練習を繰り返しているのだ。
他にも時速40kmで走る高速トレーニングや2kmを全力で走るインターバル走も取り入れている。室内では肩の可動域や筋肉の使い方を意識しつつ腕力の強化に励んでおり、本番に向けて万全の調整を繰り返す努力をしていると言える。

まとめ

今回紹介した厳しい練習の数々が、大会における選手たちの最高のパフォーマンスに結びついていると言えるだろう。 パラリンピックを頂点に、数々のマラソンイベントに出場するアスリートたちの陰の努力を想像しながら競技を見るのも、また一興かもしれない。

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