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リムをこいで風を切る!車椅子マラソンのルールとは

2017 7/10 10:25ゆうり
車椅子マラソン
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Photo by Bikeworldtravel/Shutterstock.com

1984年のロサンゼルスオリンピックから、夏季に行われるパラリンピックの正式種目に加わり、身近なスポーツになってきた車椅子マラソン。 今回は車椅子マラソンの基本的なルールなどを詳しく説明する。

車椅子マラソンとは

車椅子マラソンとは、公道のコースなどを利用して行われる車椅子の陸上競技であり、障がい者スポーツの中のひとつだ。参加者はレーサーと呼ばれる3輪の競技用車椅子に乗って専用のグローブをはめ、腕の力だけでリムをこいで42.195kmを走る。
21.0975kmのハーフマラソン、10kmや5kmのロードレースなど、マラソンに満たない短い距離でも、トラック以外で行われる場合、日本国内では車椅子マラソンと言われることが多いようだ。
車椅子マラソンの平均時速は、健常者マラソンの平均時速20.4kmの約1.5倍、31.7kmになり、下り坂では時速50kmを超える場合もある。

車椅子マラソンの開催形態

「車椅子の部」として大きなマラソン大会の中で行われる場合、一般のマラソン大会のスタート時間5~10分前に、健常者と同じコースをスタートする。参加者を健常者がゴールするより早くゴールできる選手に絞れば、健常者と交錯することもなく、5~10分交通規制を延ばすだけでコースを利用できることがメリットだ。
また、車椅子ランナーだけによる大会では、車椅子の部としての参加時よりも関門時間を多少長くすることができるため、重度の障がい者であっても参加しやすいメリットがある。

競技の規則について

基本的なところは日本陸上競技連盟の規則に沿って行われるが、障がい者のスポーツとしての特別な部分(競技用の車椅子の規格・障がいの程度に合ったクラス分け)などは、大会の規模や目的によって、「IPCATHLETICS競技規則」「日本身体障がい者陸上競技連盟競技規則」に沿って行われる。
また、これらの組織から記録を公認してもらうためには、大会自体が公認を受けることと、選手が自ら選手登録を済ませておくことが必要だ。

障がいの程度に合ったクラス分けについて

車椅子マラソンではクラス分けが行われる。これは障がいの程度の違いでレースの結果が不公平にならないようにするシステムだ。T51、T52、T53/54などに分けられ、Tはトラック、10の位5は脊髄損傷、1の位は障がいの重い順に1から4で表されている。
T54のクラスは腹筋が機能している選手、T53のクラスは腹筋が機能していない選手、T51のクラスは握力が弱く腕を伸ばす力も不足しているため、腕を曲げる力だけでほとんどを走る選手となり、最重度のクラスだ。

競技に使われる車椅子について

車椅子に乗り込む際には、座るか正座をするような体勢になる。車体は完全オーダーメイド、ディスクホイールは炭素繊維などで作られており、車椅子ではなくプロ選手仕様の3輪ロードバイクに近いものだ。体格に合わせた後輪は26~27インチ、前輪には20インチが主に使われる。
全長は約1700~1850mm、ホイールベースは約1200mm。ホイールベースが長いほど、まっすぐに進みやすく曲がりにくくなるので、スピードが出やすくなる。
車輪を回す時にはハンドリムを摩擦によって押す(叩く)ため、選手個人の腕力に合わせたグローブを自作することが必要だ。

まとめ

車椅子マラソンには、健常者が行うマラソンとは違う魅力がある。 競技用の車椅子があれば、足が不自由であっても思い切り風を切って走ることが可能になるのだ。 機会があればその疾走感を確かめに行ってみてはいかがだろうか?

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