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インターハイの陸上競技で活躍した歴代選手たち・男子やり投げ編

2017 6/13 12:41茶色野うさぎ
陸上,Ⓒ
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Photo by vectorfusionart/Shutterstock.com

高校生アスリートたちが切磋琢磨する舞台がインターハイだ。 毎年いろいろな競技が実施され、有望な若手選手たちが活躍している。 今回はその中からやり投げにスポットを当てて、歴代選手たちの活躍を紹介していく。

やり投げという競技について

やり投げは、規定のサイズのやりを投げて距離を競う投擲競技の一種だ。サイズは一般男子で長さが2.6~2.7m、重さが800gとなっている。円盤投げと同じく非常に歴史のある競技で、古代オリンピックから行われていた競技とされている。
1984年に東ドイツのウベ・ホーンさんが104m80というとんでもない記録を出してから、危険性を考慮して飛びにくいやりに変更された。現在の世界記録は1996年にチェコのヤン・ゼレズニーさんが出した98m48となっている。この投擲は2位に5m以上の差をつけるすごい投擲で、近い記録を出すのも難しい記録になっている。

1980年のインターハイで6位入賞、溝口和洋さん(熊野高)

1980年の徳島インターハイで6位入賞したのが溝口和洋さんだ。溝口さんは高校からやり投げを開始し、高3でインターハイ6位入賞を果たすと、京都産業大学に進学、大学4年生の時には1984年のロサンゼルスオリンピックに日本代表として出場するなど、日本やり投げのトップ選手へと駆け上がっていく。
1989年の国際グランプリで出した87m60という投擲は、日本記録として今でも残っている。1998年に引退すると指導者として活動し、中京大学で同じ投擲種目に取り組む室伏広治さんの指導にあたっていたこともある。

1997年のインターハイで優勝・村上幸史選手(今治明徳高)

1997年の京都インターハイで優勝したのが村上幸史選手だ。中学では野球のピッチャーを務めていた彼は、その強い肩を見込まれて勧誘され、やり投げで世界を目指すことになる。高校に入るとすぐに才能が開花し、高2でやり投げ、高3ではやり投げと円盤投の2冠に輝いている。
日本大学に進学後はやり投げに専念し、世界ジュニア選手権銅メダルなどの成績を残していく。2009年のベルリン世界選手権では見事に銅メダルを獲得し、日本陸上界で存在感を示した。その後は2013年に日本歴代3位となる85m96という記録をたたき出すなど、活躍を続けている。

2009年のインターハイで4位入賞、新井涼平選手(皆野高)

2009年の近畿インターハイで4位入賞という成績を残しているのが新井涼平選手だ。高校入学後にテレビで見た世界選手権の影響で陸上を始めた彼は、高3でインターハイ4位に入る急成長を遂げた。国士舘大学に進学してからもどんどん記録を伸ばし、大学2年生の時には78m21という記録で日本選手権4位に入っている。
2014年からはスズキ浜松アスリートクラブに所属して競技を続け、その年には80m越えの記録を連発して日本選手権を制するなど、日本のトップ選手へと成長していく。2016年には日本選手権3連覇を達成するとともにリオオリンピック代表にも選ばれるなど、安定した強さを見せている。

2009年のインターハイ王者・ディーン元気選手(尼崎高)

2009年の近畿インターハイでやり投げ、円盤投げの2冠という活躍を見せたのがディーン元気選手だ。身体能力の高い彼は、高校時代にすでに70m越えの投擲を見せるなど、将来を期待される存在として名前を知られていた。早稲田大学に進学するとさらに成長し、大学3年生の時には84m28という投擲を見せてくれた。この記録は日本ジュニア記録であるとともに日本歴代4位という素晴らしい記録だ。
この年の2012年にはロンドンオリンピック代表に選ばれるなど華々しい活躍をするが、大学卒業後は少し記録を落としている。技術的な課題に取り組んでいるようだが、今後の復活に期待したい選手だ。

まとめ

インターハイで行われているいろいろな競技の中から、やり投げに注目して過去に活躍した選手たちを紹介してきた。 ベテランと若手が切磋琢磨するやり投げの世界に台頭してくる新しい選手がいるのか、今後もインターハイに注目していこう!