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インターハイの陸上競技で活躍した歴代選手たち・男子110mH編

2017 6/13 12:41茶色野うさぎ
陸上
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出典 seekeaw rimthong/Shutterstock.com

陸上競技の中でも、「ハードル」を越える技術が要求される110mHという競技だが、高校生でも頑張っている選手がたくさんいる。 今回は過去にインターハイで活躍した選手たちを紹介し、その後の活躍についてまとめてみたい。

男子110mHという競技について

陸上の110mHという競技は、110mの距離の中で10台のハードルを越えるという特殊な競技だ。スプリント競技なので、やはりアメリカを中心とした短距離の強い国が世界ランキングの上位にくる競技だ。
その中でも特筆すべき存在なのが、中国の劉翔(りゅう しょう)さんだ。2004年のアテネオリンピックで12秒91という当時の世界タイ記録で金メダルを獲得、アジア人としては初のトラック種目での金メダリストとなった。2006年には当時の世界記録となる12秒88という記録もたたき出し、アジア人でもこの競技で戦えることを証明してくれた。

1996年のインターハイで優勝・田野中輔さん(東海大付望洋高)

1996年の山梨インターハイで110mHを優勝したのが田野中輔(たのなか たすく)さんだ。185cmの恵まれた体格を活かして110mHで力を発揮し、14秒47というタイムで優勝している。卒業後も110mHのスペシャリストとして活躍し、日本選手権では2004年、2009年、2010年と3回の優勝を飾った。
2007年にはヨルダンで開催されたアジア大会に出場し、金メダルを獲得している。2006年に出した自己ベストである13秒55というタイムは、日本でも歴代5位に当たる好記録となっている。

2001年のインターハイで優勝・大橋祐二さん(浦和高)

2001年の熊本インターハイを制したのは大橋祐二さんだった。大橋さんも185cmという恵まれた体格を活かして110mHで活躍した。中学からハードルを始めると、めきめきと力をつけ、高校では同世代の選手を圧倒する力をつけていく。高3で高校生初の13秒台となる13秒98という記録でインターハイを制し、筑波大学進学後も順調にタイムを伸ばしていった。
2006年からは実業団で活動を続け、日本でもトップレベルの記録を出していく。しかし、タイム的には十分な活躍をしながらも、肝心の日本選手権ではなかなか勝てず、世界陸上、オリンピックともに代表選考で落選という経験をした不遇の選手だった。

2008年のインターハイを制した大室秀樹選手(松山高)

2008年の埼玉インターハイで優勝したのが大室秀樹選手だ。この年はインターハイ、ジュニア選手権ともに14秒に迫るタイムで優勝し、2冠を達成している。筑波大学に進学後も順調にタイムを伸ばし、2012年にはロンドンオリンピック派遣標準記録Bを突破する13秒54という記録を出すが、日本選手権に出場できなかったため、惜しくもオリンピック代表にはなれなかった。
大学卒業後は大塚製薬陸上部に入って活動を続け、2016年には日本歴代4位となる13秒52というタイムを記録。今後の活躍が期待される選手へと成長を続けている。

2009年のインターハイで優勝・矢澤航選手(法政大学第二高)

2009年の奈良インターハイを優勝して、一躍注目を集めたのが矢澤航選手だ。178cmとそれほど体格はないが、スプリント力とハードル技術はもちろん、高2でケガをした経験から食事やトレーニングメニューを見直したことによる安定感もあり、高い評価を受けている。
法政大学進学後は2年生、4年生の時に日本選手権で優勝するなど、日本でもトップの実力を示している。2016年には13秒47という日本歴代3位の好タイムを出して、リオオリンピックの参加標準記録を突破、日本代表として出場した。オリンピックでは予選敗退に終わったが、この経験を糧に飛躍が期待される選手だ。

まとめ

インターハイの陸上110mHという競技で活躍した歴代選手たちを紹介してみた。 アテネオリンピックで金メダルを獲った中国の劉翔さんの活躍は記憶に残っている人も多いかもしれない。 日本人からもスターが誕生することを期待して、インターハイにも注目していこう!