陸上競技の種目「200m」について
陸上競技の種目である「200m」は、通常トラック上でカーブ120mと直線80mを走る。スタート地点はカーブの途中に設けられ、走路はラインによって各レーンが区切られるセパレートコースだ。
200mのコースは内側と外側でカーブの大きさが異なり、内側になるほどコーナリングで受ける遠心力の影響が強くなるという特徴がある。200mは瞬間的な加速力はあまり必要とせず、高速でのコーナーリング技術や、スピードのコントロールと持続力などが重要とされている。
世界大会ではアフリカ系の選手が上位を占めることが多いだが、技術の向上などにより、筋力的に劣る日本人選手の活躍も期待されている。
日本歴代2位の記録保持者。飯塚翔太選手
飯塚翔太選手は、1991年に静岡県御前崎市で生まれ、藤枝明誠高校3年生の時に出場したインターハイ(2009年)で、静岡県の高校記録となる21秒01で優勝した。中央大学に進んだ2010年には日本学生個人選手権で優勝、関東インカレでは2011年まで2連覇している。
静岡国際では2013、2014、2016年と3回優勝し、日本選手権では2013年に優勝した後、2016年には日本歴代2位となる20秒11をマークして2度目の優勝に輝いた。2016年にはタイガートラッククラシックと全日本実業団選手権でも優勝している。
リレーでの活躍も多く、2013年の東アジア競技大会と2014年のアジア競技大会では金メダル、2016年のリオデジャネイロ五輪では銀メダルを獲得した。
中央大学を卒業した2014年にミズノに入社し、ミズノトラッククラブ所属の選手として活躍を続けている。
インターハイ後も輝き続ける。高平慎士選手
高平慎士選手(1984年生まれ)は2002年、旭川大学高校3年生の時に出場したインターハイで優勝している。タイムは大会歴代2位となる20秒97だった。
高校卒業後は順天堂大学に進み、2004年には日本選手権で20秒59をマークして優勝した。同年はアテネ五輪への出場を果たし、2005年は東アジア大会で優勝している。
順天堂大学を卒業した2007年には富士通陸上競技部の所属となり、2009年には日本歴代6位となる20秒22を記録した。アジア選手権では2009年と2011年に優勝、日本選手権では2004年も含め5回優勝に輝いている。
オリンピックにはアテネに続いて2008年の北京、2012年のロンドンと3大会連続で出場を果たし、北京ではリレーで銀メダルを獲得している。
女子200m大会記録保持者。中村宝子さん
中村宝子(たからこ)さんは、静岡県立浜松西高校の3年生だった2006年、大阪府で開催されたインターハイで優勝した。この時の23秒48というタイムは大会新記録で、当時のジュニア日本記録も更新している。同年のアジア大会(カタール)では高校生ながら日本代表として出場し、23秒89で5位入賞を果たした。
高校卒業後は2007年に福島大学に入学し、2008年に同大学を退学すると慶應義塾大学へ再入学している。2012年には大学を卒業し、これをもって現役を引退して社会人となった。
現在は静岡新聞社で記者として活躍している。
インターハイ後に輝きを増す。福島千里選手
福島千里選手(1988年生まれ・北海道帯広南商業高校)のインターハイでの成績は、2004年は25秒21で4位、2006年は23秒81で3位と、活躍しながらも勝利には手が届かなかった。
しかし、福島選手の活躍はここから始まる。2007年に北海道ハイテクノロジー専門学校に進むと、2008には静岡国際陸上で追い風参考ながら23秒13をマークして優勝した。同大会では2009年から2年連続で日本記録を更新し、2011年まで4連覇を遂げている。
国際大会では、2010年のアジア大会(中国)、2011年のアジア選手権(神戸市)での優勝などがある。日本選手権では2009年の優勝の後、2011年から現在まで6連覇中で、2016年大会では22秒88の日本記録を更新した。
北海道ハイテクノロジー専門学校を卒業した2009年には同校の職員となり、2017年1月からはファーストトラック株式会社の所属となっている。
まとめ
インターハイの200mで過去に活躍した選手のその後を紹介した。テレビ放映された大会や報道などで記憶に残っていた選手もいたのではないだろうか。
インターハイは若い陸上選手が目指す夢の舞台であると共に、さらなる大舞台への足掛かりともなる重要な大会だ。高校生のみの大会なので、毎年新しい才能の芽を見つける楽しみもある。
200mは見どころの多い魅力溢れる競技なので、ぜひ注目して観戦してみてほしい。