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インターハイの陸上100mで過去に活躍した選手とその後

2017 5/15 09:56masumi
陸上
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Photo by seekeaw rimthong/Shutterstock.com

高校生アスリートにとっては、夢の舞台でもあるインターハイ。そこで活躍し、さらなる大舞台へ飛躍を遂げた選手もたくさんいる。過去に陸上競技100mで活躍した選手に注目し、振り返ろう。

インターハイと陸上競技の「100m競走」について

インターハイは高校総体とも呼ばれ、毎年8月頃に開催されている。正式名称は「全国高等学校総合体育大会」だ。
種目の1つである「100m競走」は、どの大会においても花形競技となっており、陸上競技の中でも人気が高い。レースは通常、陸上競技場のメインスタンド前に設置されている直線のセパレートレーンで行われる。 100m競走(以下100m)は風の影響を受けやすい競技で、追い風が風速2.0m/sを超えた場合のレース記録は認定されず、「追い風参考記録」にとどめられている。
現在の日本最高記録は、男子は伊東浩司さんの10秒00(1998年)、女子は福島千里選手の11秒21(2010年)だ。

男子100m大会記録保持者。桐生祥秀選手

桐生祥秀選手は、1995年に滋賀県彦根市で生まれ、彦根市立南中学校を経て京都府の洛南高校に進んだ。
3年生で出場した2013年のインターハイでは、他の選手をぐんぐんと引き離す堂々たる走りで、10秒19の大会新記録で優勝した。少年男子Aで出場した国体(東京)では10秒22で優勝し、高校時代の3年間で3連覇を達成している。
2014年、東洋大学に進んだ桐生選手は、関東インカレでジュニアアジア記録と日本学生タイ記録となる10秒05で優勝した。日本選手権にも出場し、10秒22で初優勝を遂げている。
2015年、アメリカで開催されたテキサス・リレーでは、3.3mの追い風参考ながら9秒87をマークして優勝し、2016年にはリオデジャネイロオリンピック出場も果たしている。

女子100m大会記録保持者。高橋萌木子選手

高橋萌木子(ももこ)選手は、1988年に埼玉県三郷市で生まれ、三郷市立早稲田中学校を卒業後、埼玉栄高校へ進んだ。
インターハイでは1年生だった2004年から優勝し、高校生最後となる2006年には11秒63の大会記録をマークして3連覇を成し遂げている。2007年、埼玉栄高を卒業後は平成国際大学に進学し、日本選手権で初優勝に輝いた。2010年の日本学生選手権では11秒55の大会記録を出して4連覇を達成している。
2011年に平成国際大学を卒業した後は、富士通に入社し、全日本実業団で100mと200mを2冠するなど活躍をした。

25年ぶりの2連覇。九鬼巧選手

九鬼巧(くきたくみ)選手は、1993年に和歌山県有田市で生まれ、文成中学校を経て県立和歌山北高校へ進んだ。
2009年、2年生になった九鬼選手は、インターハイ近畿大会でユース世界最高記録となる10秒34をマークしている。インターハイで初優勝し、続く日本ユース選手権でも優勝で高校2冠を達成した。高校最後となる2010年のインターハイでは、前年に続いて優勝し、25年ぶり5人目という2連覇の栄誉に輝いている。
高校卒業後は早稲田大学に進み、2013年には日本インカレで初優勝した。この時の準決勝では、当時の日本歴代10位タイとなる10秒19をマークし、自己記録を更新している。
2015年に大学を卒業した九鬼選手はNTN株式会社に入社し、現在は実業団の選手となっている。

100mと200mで2冠。塚原直貴さん

塚原直貴さんは1985年生まれで、長野県岡谷市の出身だ。高校は茅野市にある東海大学付属第三高等学校(現在の東海大学付属諏訪高等学校)で、3年生だった2003年のインターハイでは10秒32のタイムで優勝し、200mでも優勝して2冠を達成した。
卒業後は東海大学に進学し、2006年の第15回アジア競技大会(カタール)では銀メダルを獲得、日本選手権では2008年まで3連覇を成し遂げている。2008年には北京オリンピックに出場し、10秒16を記録して準決勝進出を果たした。2009年の日本選手権では、当時の日本歴代4位となる10秒09をマークし、自己記録を更新している。
塚原直貴さんはリレーでも活躍されており、北京オリンピックでは銅メダル、アジア選手権でも銀メダルを獲得。2016年11月には引退を発表し、「東京五輪までは後進の育成、陸上界のさらなる発展に寄与していきたい」と語っている。

まとめ

過去にインターハイの100m競技で活躍した歴代選手と、その後の活躍を紹介した。 インターハイは世界大会へ出場する選手も輩出している。 世界的に見ると100mという競技では、アフリカ系の選手の強さが目立っているが、近年は日本人選手もどんどん輝きを増している。 世界で戦える若い選手が生まれることを期待し、今後も応援していきたい。