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最近、マラソンで聞く『ネガティブスプリット』って、なに?

2017 1/31 13:15きょういち
マラソン
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アフリカ勢の猛烈なスパートについていけない日本勢

 日本がネガティブスプリットで走る海外勢に翻弄されたレースがいくつかあります。筆者が記憶しているのは真夏に韓国の大邱で行われた2011年世界陸上です。

 前半のペースは、ゴールが2時間30分を超えるのではないかというほどのスローな展開。それが30キロを過ぎると、ケニアやエチオピアといったアフリカ勢が仕掛け、トラックレースのようなスピードに上がりました。

 その時、山下氏が指導する尾崎好美選手が出場していました。尾崎選手はその2年前のベルリン世界陸上の銀メダリスト。その実力者を持ってしても全くついていけず、18位に終わりました。あまりにも激しいスピードアップに、山下氏が驚いていたのを思い出します。だからこその、東京五輪へ向けた今回の強化策なのでしょう。

前半から離れたら意味がない

 さて、今回の大阪国際女子マラソンに話を戻します。優勝した重友選手は、前半は先頭集団から離れ、後半追い上げる展開を取りました。これに対し、日本陸連のマラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦氏は一定の評価を下しながらも、こう語りました。

 「序盤は先頭グループに入らなかった。あの走りでは世界では勝てない。世界はそのまま逃げ切ってしまう。今日はたまたま相手が弱かったから勝てた」

 後半にスピードアップができても、前半から先頭手段にいないと勝てる状況にはなりません。ネガティブスプリットと簡単に言っても、一筋縄でいかないのも事実です。でも、世界と力の差をあけられた、かつての日本のお家芸・女子マラソンの復活のためには、やはり欠かせない走りには違いありません。これからマラソンを見る時は、この「ネガティブスプリット」に注目してください。

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