セルゲイ・ブブカ=ウクライナ
現役時代、「鳥人」の愛称で呼ばれた選手がセルゲイ・ブブカだ。
ブブカは、トレーニングで100m走、重量あげ、体操など、異なる種目を取り入れており、抜群の身体能力が特徴の選手だった。
世界記録を1cm単位で、少しずつ更新していく様子から、「ミスターセンチメートル」と揶揄する声もあったが、世界記録を35回も更新する偉業の持ち主だ。
オリンピックでは、ボイコットや不調により、活躍が限られるが、1998年のソウルオリンピックでは金メダルを獲得した。
息子は、プロテニスプレイヤーのセルゲイ・ブブカ・ジュニアだ。
エレーナ・イシンバエワ=ロシア
女子選手でありながら、当時は不可能とまで言われた、5mの壁を初めて突破した選手がエレーナ・イシンバエワだ。
競技の待機中、自身で用意したマットの上に仰向けになり、タオルを顔に掛けて集中するルーティーンが特徴だ。
セルゲイ・ブブカに倣い、世界記録を1cmずつ更新し、これまで28回更新を積み上げている。
リオオリンピックへは、ロシア陸上競技団のドーピング問題の余波を受け、出場はならなかった。
ルノー・ラビレニ=フランス
男子棒高跳の世界記録6m16を誇る選手だ。
この記録は、2014年に樹立されており、実に21年ぶりとなる世界記録の更新だった。これは室内の記録だが、2015年屋外に於いても、6m05を記録する。こちらは、「鳥人」セルゲイ・ブブカに次ぐ、屋外世界歴代2位の記録だ。
2010年から2015年までの6年連続で、IAAFダイヤモンドリーグの年間優勝を続けている。
2012年ロンドンでは見事金メダルに輝いたが、2016年リオでは惜しくも銀メダリストとなっている。
澤野大地=日本
「エアー大地」とも呼ばれる、日本の代表的な棒高跳の選手だ。
2005年に記録された、自己ベスト5m83cmの記録は日本記録となっている。
アジアの大会では、2002年コロンボ、2006年にはドーハで金メダルを獲得した。また、世界の舞台でも、2004年のアテネオリンピックでは日本人としては20年ぶりとなる決勝進出を決めている。
2008年北京では予選落ち、2012年ロンドンは出場がならず、「衰えた」との声も散見されたが、2016年リオオリンピックでは見事7位入賞を遂げ、ネガティブな声を跳ね除けた。
山本聖途=日本
澤野大地に次ぐ、日本歴代2位の記録を保持する選手が山本聖途だ。
2012年には、澤野大地との直接対決に勝ち、ロンドンオリンピックの切符を手に入れている。しかし、本戦では緊張のあまり、記録なしの結果に終わる。そこからは着々と力をつけ、2013年8月モスクワ世界陸上大会で、日本歴代2位となる5m75を記録し、棒高跳日本勢最高位となる6位入賞を果たした。
自身が持つ室内日本記録を2016年に6cm更新し、5m77まで伸ばした。まだ記録を伸ばし続けていることから、今後も目が離せない選手だ。
まとめ
棒高跳は、普通の人では到底飛び得ない高さを、軽々とダイナミックに飛んでしまう。
しかし、たった「1cm」が勝負を分ける、繊細な競技なのだ。
そのわずか数cmの緊張感が、棒高跳びの醍醐味なのである。