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【大阪国際女子マラソン】松田瑞生「腹筋女王」返上でパリ五輪切符つかむ

2024 1/27 11:00SPAIA編集部
大阪国際女子マラソンの出場選手,Ⓒカンテレ
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Ⓒカンテレ

松田瑞生「今までにない形で準備してきた」

28日に開催される第43回大阪国際女子マラソン(同日正午~カンテレ・フジテレビ系全国ネットで生中継)の招待選手らが26日、大阪市内で記者会見に出席した。

今大会はパリ五輪マラソン日本代表の最後の1枠を争う“マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジ”の1つ。五輪出場権を獲得するには2時間21分41秒の設定記録を突破した上で、3月に開催される名古屋ウィメンズマラソンを含めた日本人最高タイムとなる必要がある。

会見には、国内招待選手から松田瑞生(ダイハツ)、佐藤早也伽(積水化学)、前田穂南(天満屋)、松下菜摘(天満屋)が登壇した。

松田は「コンディションはとても良いです。“頑張らないことを頑張る”をテーマに練習してきました。睡眠時間を増やす、腹筋を全くしないなど、今までにない形で準備してきたので、これがどういう結果につながるか楽しみです。目標は、ゴールした時に私をいつも支えてくれてる仲間が喜んでいる姿を見ることです。4年前(東京五輪に)手がかかった瞬間に落ちたので、そのリベンジができたらなと思います」と意気込んだ。

当日、解説を務める野口みずき氏(アテネ五輪金メダリスト)から、大阪を選んだ理由を聞かれると「大阪は3回優勝しているので良いイメージがあります。あとは、大阪生まれ大阪育ち。大阪から世界に羽ばたくと言ってきたので、ここから世界にいきたい気持ちが強いです」と力強く語った。

前田穂南「目標は“アレ”」

一方、佐藤は「コンディションは良いです。スピード練習を意識してやってきました。今大会は2時間21分を目標に走りたいと思っています。今は明後日のレースのことしか考えていません。しっかり自分の目標を達成した上で、それがオリンピックや大きな舞台につながればいいなと思っています」と気合十分。

前田は「コンディションは良い状態です。今回の大会でパリにつながる走りができたらいいなと思います。目標は“アレ”です」と会場を沸かせた。

同じ天満屋の松下は「目標は最低でも自己ベスト更新です。MGCの前と同じくらい走行距離を走ったので、距離的な不安はないかと思います。ずっと言っていることですが、オリンピックは簡単に出られる大会ではないと思います。その選考レースに自分が出られることは、入社して7年間培ってきたものがあるからだな、と。チャンスとタイミングが合えばパリ五輪も狙えるんじゃないかと思っています」と力を込めた。

また、海外招待選手のウォルケネシュ・エデサ(エチオピア)は「良いタイムで走って優勝したいと思っています。ペースメーカーについて、30キロを過ぎたところからスピードを加速させていく予定です」と話し、ステラ・チェサン(ウガンダ)は「目標は自己ベストで走ることです。第1集団について30キロまでしっかりついていきたいと思います」と気合いを入れた。

陸上とタレントの“二刀流”北川星瑠が初マラソン

さらに、ネクストヒロインの北川星瑠(大阪芸術大)、鈴木杏奈(大阪芸術大)、古原夏音(大阪芸術大)、小林香菜(前橋市陸協)、須田花音(神戸学院大)も登壇した。

陸上とタレントの“二刀流”を目指す北川は「今年度のFISUワールドユニバーシティゲームズハーフマラソンで優勝することができて、その時に初めてもう一度世界で戦いたいと思いました。ゆくゆくは世界で活躍するために、今回の初マラソンで自分の可能性を見つけたいです」と意気込んだ。

大会当日の“裏生実況”(大阪国際女子マラソン公式YouTubeチャンネル)でSP解説を務める増田明美氏から“自分の売り”を聞かれると、前回大会にも出場した小林は「去年は第2集団で25キロ地点までついていけたので、今年はいけるところまでついていきたいと思います。きつくなっても粘ってそのペースで走り切りたいです」と粘り強さをアピール。

続いて、鈴木は「不安になればなるほど大会での結果が良いことです。ワクワクの気持ちはあるんですけど、一番は不安の思いが強いので、それを逆に強みに変えて、チャレンジする気持ちを忘れずに走れたらいいなと思っています」とコメント。

北川は「大きな大会で外さないところです。思うように走れないことはもちろんあるんですけど、自分の中での最低限の目標はどの大会でもクリアできているので、自己管理能力には自信があります。あとは、後半の粘りです。きつくなってからも大幅にタイムを落とさず、粘り強さをいかして安定したペースでゴールできたらいいなと思っています」と語った。

古原は「この中で誰よりも距離を踏んできた自信があります。元々距離を踏む練習が得意なので、結構走り込んできました。あとは、1人で淡々と走れるところです。年明けに距離走を1人でしっかりこなせたので自信がありますし、レース後半で集団から遅れをとったとしても、自分の力で押していけると思っています」と強気な姿勢を見せた。

パリへの最後の切符をかけた熾烈な戦いが期待される大阪国際女子マラソン。日本人最高位に輝き、設定記録の2時間21分41秒を突破するランナーは現れるか。

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