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大量のカロリーを消費する駅伝には栄養を考えた食事が必須

2016 11/25 11:06
駅伝
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Photo by bluedog studio/Shutterstock.com

長距離走をすると、体内で大量の熱量が消費されます。例えばマラソンを走ると体重60キロのランナーで約2500キロカロリーもの熱量が消費されます。マラソンと同じように長距離を走る駅伝でも、適正な食事から得るエネルギーの蓄えが重要です。

エネルギー切れは急失速の原因に

駅伝はマラソンとは違い、1人で約42キロもの距離は走りませんが、それでも長い区間であれば10キロも走ります。ですから、マラソンと同じように途中での急失速といった事態を防ぐ上でも、食事から必要な栄養素をしっかりと摂取しておくことが大事です。特に長距離ランナーには持久力の素となる炭水化物が肝臓や筋肉に蓄えられていないとエネルギー切れという現象を引き起こす原因になります。
大会の数日前から炭水化物中心の食事を摂って本番に向けエネルギーの蓄積をしておくという方法が主流になっています。

レース前は普段より多めのカロリー摂取が必要

一般的に成人の1日の摂取カロリーは1800~2200kcalとされています。しかし、男女、体格差、年齢によって実際に必要なカロリーは異なります。また、仕事がデスクワークの人や主婦と、建設業や良く歩く職業の人では必要摂取カロリー違ってきます。
スポーツ選手の場合は、運動量が多く大量のエネルギーが消費されるため、一般の労働以上のカロリーが必要です。さらに、駅伝では重労働と同等ぐらいのエネルギーが消費されるので、レース前日には少なくとも女性で2700~2800kcal、男性で3500kcalを食事から摂取しておくことが目安とされています。

グリコーゲンを体内に蓄積させる方法効果的な方法とは

駅伝やマラソンなど持久力を必要とするスポーツで走るためのエネルギーとなるグリコーゲンを体内に蓄積させる方法として、カーボローディングという食事法があります。食べ物から摂取したグリコーゲンを通常の2倍ぐらい体内に貯蔵させておくことで、レース中ガス欠のような状況が起きるのを防ぐ手段になります。
具体的にはレースの3日目ぐらいからごはん、麺類、パンなどの炭水化物中心の食事に切り替えて肉、魚など高タンパクや脂質の摂取を控え、運動量を控えめにするというものです。

炭水化物を摂取して、レース前には練習を控えることで効果が

本番の大会へ向けてエネルギーを蓄積させるのがカーボローディングの目的なので、並行して、それまで行っていた激しい練習はぐっと抑えるか休まなければ効果が無いとされています。炭水化物が多い食べ物はごはん、パン、麺類の他にいも類、砂糖などがあり、ビタミンB群やビタミンCを一緒に摂取すると炭水化物をエネルギーに変換させてくれる効果があります。
レース前、バナナを食べているランナーを良く見かけますが、エネルギーとして吸収される速度が速いとは言えないので、余り効果が無いとされています。

今や常識!駅伝と栄養学との関係

社会人チームでも学生チームでも、駅伝にとって食事は非常に大切と捉えられているので、専属の管理栄養士を置いているチームが増えています。
例えば箱根駅伝での優勝争いの常連校である東洋大学の場合、女子栄養大学の教授らがサポートしています。食事メニューの他に、選手ごとに血液検査や体脂肪率、骨密度などを測定してカルテを作成。故障しない体を作るための個別メニューも加えているそうです。駅伝と栄養学は今や切り離せない関係になっています。

まとめ

スポーツでは、種目によって食事から摂取すべき栄養素が微妙に異なります。スタミナとスピードの維持が必要な駅伝レースにも必要な食事法があります。選手にとって1番大切なのは炭水化物。これが含まれている食品や有効な摂取法などを取り上げました。ぜひ参考にしてください。