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ニューイヤー駅伝2017〈1〉~それは駅伝日本一決定戦~

2016 11/25 09:55きょういち
大学駅伝
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「ニューイヤー」は正式名称じゃないんです

 正月三が日と言えば、駅伝三昧です。元日にあるのが、ニューイヤー駅伝。2、3日にあるのが箱根駅伝。箱根は学生駅伝の最高峰として有名ですが、ニューイヤー駅伝って、何かご存じでしょうか。

 正式名称は「全日本実業団対抗駅伝競走大会」。駅伝の実業団日本一を決める大会で、2017年の元日で61回目を迎えます。実業団日本一と言っても、日本の陸上競技は実業団が最高峰。プロとして活動する選手もいますが、駅伝としてチームを組むには実業団に所属するしかありませんし、そもそもニューイヤー駅伝は実業団チームしか出場できませんから、実質、駅伝の日本一決定戦を決める大会です。

箱根が日本一じゃないんですよ

 箱根を走る大学生の方がすごいのではないか、箱根が日本一、なんて思う人もいるかもしれません。社会人1年目から活躍する選手は多いですが、やっぱり学生と実業団の選手では力が違います。野球における高校球児とプロほどの差はないですが。かつては、大学生と実業団が走るレースもありましたが、最近は駅伝のレースが減ってしまい、そんな大会もなくなってしまいました。

かつてはあったんです「日本三大駅伝」

 話がそれるようですが、かつては実業団が争う日本三大駅伝というのがありました。日本人が好きな「三大○○」です。

 一つはこの全日本実業団駅伝。ほかの二つは中国駅伝、朝日駅伝です。

 中国駅伝は1931年に始まった大会で、広島県で行われていました。96年からは全国都道府県対抗男子駅伝に衣替えして続いています。ですが、実業団のレースではなくなってしまいました。
 朝日駅伝は福岡で行われていました。実業団に加え、箱根の強豪も走るレースでした。社会人と学生が戦うという、ファンにとってはたまらない構図だったのですが、2011年を最後にその歴史に幕を閉じました。

元日の風物詩にして生き残る

 箱根を筆頭に学生駅伝の人気が高まるのとは対照的に、そのほかの駅伝は協賛会社がつきにくく、どんどん大会が消滅しています。国際千葉駅伝、横浜国際女子駅伝などがその例です。

 そんな中で、全日本実業団駅伝は「ニューイヤー」を強調することで、新春の風物詩としての地位を確立しました。ほかの駅伝が減ったことで、実業団のトップを争う大会がここだけになったことも大きいかもしれません。

最多優勝は九州のあのチーム

 開催地は1988年から群馬県です。かつては三重県や滋賀県でも開催されていました。7区間100キロで、群馬県庁がスタートとゴール地点になります。東日本、中部、北陸、関西、中国、九州の各地区から37チームが出場します。

 最多優勝は宮崎県延岡市に本拠を置く名門旭化成で21回です。ただし、最後に優勝したのは1999年。他チームが「助っ人」の外国人選手をどんどん採用する中、日本選手だけでチームを構成するというポリシーを崩しません。西日本のチームには、この伝統が生きていて、旭化成を始め、助っ人のいない西日本のチームが最近優勝できない要因になっています。

戦いの世界は栄枯盛衰

 優勝回数が2番目に多いのは、強力な助っ人だけでなく、かつて活躍した双子の松宮兄弟のように日本選手も実力者をそろえるコニカミノルタで8回(前身のコニカ時代を含む)です。特筆すべきはその優勝がすべて21世紀になってからだということです。近年の駅伝はコニカミノルタが引っ張ってきたと言えます。

 3番目は、エスビー食品とカネボウでともに4回です。旭化成とともに、昭和の時代の日本の長距離を引っ張った両チームです。エスビー食品には、日本が世界に誇った名ランナー瀬古利彦、カネボウには瀬古、宗兄弟のライバルながら五輪には縁がなかった伊藤国光、現在の男子マラソンの日本記録を持つ高岡寿成(としなり)が在籍していました。
 エスビー食品は2013年で廃部となり、現在はDeNAに引き継がれています。カネボウは本拠を山口県から東京に移しました。東日本に来てから外国人の助っ人を採用。やはり、西日本で外国人をメンバーに加えるのは難しかったのでしょうか。

あの強豪が方針転換

 先ほども書きましたが、旭化成はケニアやエチオピアなどアフリカの外国人選手を採用していませんが、今年から新たに外国人選手を起用する強豪が現れました。過去2度の優勝を誇る中国電力です。21世紀に入り、日本選手だけで優勝を2度した硬派なチームでしたが、ついに方針を転換しました。2017年の優勝争いを左右するかもしれません。今年度のレースの展望については次回に。

Next:ニューイヤー駅伝2017②~トヨタの3連覇が有力も、東日本勢も侮れない~

(きょういち)

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