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2016年全日本大学駅伝〈1〉「青学はやはり“エビフライ”だった」

2016 11/14 09:40きょういち
大学駅伝
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戦いはレースの2日前に始まった

 いやはや、この人らしいなと思った。大学駅伝日本一を決める全日本大学駅伝を2日後に控えた11月4日の監督会見。キャッチーなコメントでマスコミ受けのよい青山学院大学の原晋監督が、またもやぶち上げた。


 「エビフライ大作戦」


 全日本のスタート地点である名古屋の名物エビフライに引っかけ、「どこを切ってもおいしくいける」ということを言ったのだ。もう、作戦というより、どの区間の選手もいい力を持っている、という自信の表れと言っていい。そして、大学駅伝ファンはその言葉をこの大会で実感していくことになる。

大本命は泰然自若としていた

 全日本大学駅伝は8区間、106.8キロで争われる。これまでも何度も言ってきたが、このコースは比較的平坦なため、終盤にドラマ、つまりは逆転劇が生まれにくい。先行逃げ切りが必勝パターンのコースである。青山学院大学のライバル校は、この定石にあわせて区間配置をしてきた。


 全日本は区間エントリーを2度できる。まず、最初に8区間の選手と補欠をエントリーし、大会前日に最大3人までを入れ替えることができる。前年優勝の東洋大学は、最初のエントリーで服部弾馬と櫻岡駿を補欠にした。これは他校、特に優勝候補筆頭の青山学院大学の動向を見て、エースの区間を決めるという戦略である。


 青山学院大学の最初のエントリーはエースの一色恭志をアンカーにした。その代わりに準エースの下田裕太を1区、駅伝に強い田村和希を2区に配置した。前半リードも狙えるが、もしだめでも最後はエースがどうにかしてくれるという二段構えである。それに対し、東洋大学は前半リードする形を選択した。1区に服部、2区に櫻岡。ある意味、定石通りである。
 青山学院大学、東洋大学と並んで3強と言われた駒沢大学も1、2区を入れ替え、力のある選手を加えた。ただ、これはもともと1区にエントリーしていたエースの中谷圭佑を外すというものでもあった。故障上がりのエースを起用できないというのは、駒沢大学にとって大きな痛手だった。


 

 各校の最終エントリーでの入れ替え数を見ると、東洋大学が3人、駒沢大学、早稲田大学、東海大学が2人。ライバル校が最後まで策を弄したのに対し、青山学院大学は最初のエントリーから入れ替えをしなかった。大本命はどっしり構える――。そんな余裕が青山学院大学に漂っていた。極上のエビフライは作り直さなくていいのである。

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