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今年の大学駅伝“日本一”は? 3強の一角・駒澤大学とダークホース

2016 11/7 10:35きょういち
大学駅伝
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出典 number.bunshun.jp

 
 三大大学駅伝の2戦目、第48回全日本大学駅伝対校選手権大会が6日に行われます。少しおさらいしますと、この大会は名古屋の熱田神宮から三重の伊勢神宮までの8区間、106・8キロで争われ、通称は「伊勢路」。27チームが出場します。前回では優勝候補の3強のうち、大本命の青山学院大学、それを追う東洋大学の話を書きました。今回は3強のもう一つ、駒沢大学と、ダークホースについて語りましょう。

最多優勝の駒澤大学、エースに不安 闘将大八木監督にも注目

 この大会で最多となる12度の優勝を誇るのが駒澤大学です。とにかく相性がいいんです。

 以前にも書きましたが、伊勢路は短い区間もあれば、長い区間もあります。駒澤大学の大八木弘明監督は強い長い距離に強い選手だけでなく、バランス良く選手を育てます。それがうまくいっているのでしょう。
 さらに、大八木監督は全日本での勝ち方を知っています。とにかく序盤で流れをつくり、先行逃げ切りを徹底します。起伏が少なく、終盤での逆転劇が起こりにくいことを理解した上で、適材適所の選手配置をしてきます。

 あと、この大会で駒澤大学が有利な理由があります。高校駅伝の強豪である三重の伊賀白鳳高校から有力選手が駒沢大学に毎年のように進学します。今年の4年生で言えば西山雄介がそうです。伊賀白鳳出身者とすれば、家族、友人たちが応援してくれる前で成長した姿を見せる「故郷に錦を飾る」大会でもあるのです。高いモチベーションが普段以上の力を出させてくれるのかもしれません。

 いいことばかりを書きましたが、今年の駒澤大学の選手層を見ると、やはり、大本命の青山学院大学に勝つ確率は高くないと言えます。さらに、昨年のユニバーシアード1万メートル銅メダリストの中谷圭佑の調子が不透明です。エースは夏に足を痛めて、出雲には出場しませんでした。現段階のエントリーでは1区を走ることになっていますが、最終エントリーで外れることになるかもしれません。3年生の工藤有生、4年生の大塚祥平ら、実力者はいますが、中谷が走れるのかどうかが、駒沢大学の浮沈のカギを握っていると言えます。

 さて、駒澤大学と言えば、大八木監督の存在が有名です。高校を卒業後、家庭の事情により大学進学を諦め、実業団選手に。でも、やっぱり大学駅伝を走りたくて、24歳で駒澤大学の2部へと進学。昼間は働きながら、選手としても結果を残しました。
 もう一度、実業団に進んだ後、1995年に駒澤大学のコーチに就任。駒澤大学が強豪校になったのは、大八木監督の力によるものと言っても過言ではありません。その厳しい指導は闘将そのものです。

 全日本では、指揮官たちは監督車に乗って移動するのですが、監督車から乗り出して声をかけることは禁じられています。そのため、大八木監督は車の中から大きな身ぶり手ぶりをし、口だけ動かして声を出さずに選手を鼓舞します。全日本の風物詩となったこの風景。ほかの監督たちはその滑稽な姿を笑いますが、大八木監督の周年を垣間見る時でもあります。
 ちなみに、途中、何度か車を降りて選手に声をかけるポイントが設けられています。そこでは、選手に近寄り、ひときわ大きな声で檄を飛ばします。これも、全日本の風物詩です。 

「あの日」の誓いを現実にできるか 山梨学院大学

 青山学院大学、東洋大学、駒澤大学が3強と言われますが、ほかにも優勝を狙えるチームはあります。

 その筆頭は山梨学院大学でしょう。10月の出雲は2位。この結果を見れば、ダークホースと言ったら、少し失礼かもしれません。

 山梨学院大学で特に注目を浴びているのが3年生です。3年前、付属高校が全国高校駅伝で初優勝を飾りました。そのメンバーの多くが、山梨学院大学に進学しているのです。
 今年の出雲で1区を走った上田健太もそのひとり。彼は、山梨学院大学を長年指導する上田誠仁監督の次男です。出雲4区で区間新をマークした市谷龍太郎も高校駅伝優勝メンバー。彼らは中学生の時に高校駅伝優勝を誓い、同じ高校に進学。その夢を現実のものにしました。そして、その夢は大学駅伝へと受け継がれていきました。あの高校駅伝の優勝メンバーで、大学でも優勝する――。

 本来、彼らが4年生になる来年が一番面白いかもしれません。でも、今年も力はあります。現在のエントリーを見ると、1区で上田が走って流れをつくり、粘る展開が予想されます。そして、アンカーにはケニア人留学生のドミニク・ニャイロが控えています。圧倒的なスピードで少々の差ならひっくり返してしまうでしょう。最後に「大砲」がいるので、ほかのメンバーも気が楽に走れるかもしれません。出雲も箱根も優勝経験がありながら、全日本だけは2位が最高。初優勝のチャンスはあります。

ルーキーが面白い 東海大学

 今年、東海大学には強力な1年生が集いました。10月の出雲は3位。勢いもあります。

 全日本の現段階のエントリーを見ると、1年生が3人走ることになっています。さらに、3人が補欠にいて、実際には8区間の半分以上を1年生が走るかもしれません。
 1区にエントリーされている鬼塚翔太は出雲も1区を走り、区間2位の好走を見せました。名門、福岡の大牟田高校出身で、山梨学院大学の付属高校が高校駅伝で初優勝したとき、アンカーとしてトラック勝負に負けました。その苦い経験をバネにしっかりと成長。1年生にして東海大学にはなくてはならない存在です。そのほか、館澤亨次、關颯人、羽生拓矢ら、昨年の高校長距離界を引っ張った選手たちの名前がずらっと並びます。

 こんなに有力選手が一つの大学に集まるのはまれなことです。これには理由があります。本来、東海大学の1年生の有力選手の何人かはある有名大学に進学予定だったのですが、暴力による指導が露見し、その大学への進学を辞めたと言われています。東海大学にとっては、ラッキーだったかもしれません。

 さて、全日本の最終エントリーは前日に行われます。各校の最初のエントリーを見て、選手を入れ替えます。だから、エースが補欠にいたりするのです。指揮官の腕の見せどころとも言えるでしょう。

(きょういち)

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