印象的な名言
オリンピックでは往々にして名言が生まれる。それまでの4年間の努力が報われ、感極まった際に発せられる一言は、多くの視聴者の胸を打つ。
中には流行語大賞を受賞するなど、社会現象を巻き起こした選手もいるほどだ。
今回は、今まではマラソンが引っ張ってきた日本陸上界、そして今では100m×4のようにトラック種目でも活躍が目立ってきた日本陸上界の歴史に残る明言をいくつかピックアップしてみたいと思う。
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大興奮のうちに幕を閉じた、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック。 日本も史上最多のメダルを獲得した。 陸上では、100m×4リレーで史上初の銀メダルを獲得した。今回も含め、印象的な日本人陸上選手の名言を紐解いてみたいと思う。
オリンピックでは往々にして名言が生まれる。それまでの4年間の努力が報われ、感極まった際に発せられる一言は、多くの視聴者の胸を打つ。
中には流行語大賞を受賞するなど、社会現象を巻き起こした選手もいるほどだ。
今回は、今まではマラソンが引っ張ってきた日本陸上界、そして今では100m×4のようにトラック種目でも活躍が目立ってきた日本陸上界の歴史に残る明言をいくつかピックアップしてみたいと思う。
「今までの100mで一番短かった」
出典: Number Web
中々結果を残せていなかったリオデジャネイロオリンピックの陸上日本代表だったが、最後の最後で男子100m×4リレーの4人(山縣・飯塚・桐生・ケンブリッジ)が銀メダルを獲得してくれた。
この一言はレース後のケンブリッジ飛鳥選手の口から出たものだ。
無敵と称されるジャマイカ代表と競ってバトンを受け継いだケンブリッジ選手。一瞬バトンがボルトに触れ、ボルトににらまれたという。
ボルトを目標にしてきたケンブリッジ選手にとっての夢舞台は本当に短く感じたのだろう。
「途中で、こけちゃいました」「これも運」
出典: LONDON2012
1992年、バルセロナオリンピックで8位入賞に終わった谷口浩美選手の名言だ。
谷口選手は、同オリンピックで優勝候補の一人と目されていたが、20km過ぎの給水ポイントで、後続の選手に靴を踏まれ、転倒した上、靴が脱げるというアクシデントに見舞われた。
その結果先頭争いから脱落してしまったが、レース後のこのコメントは谷口選手の人柄を象徴するコメントとして今でも語り継がれている。
「メダルの色は、銅かもしれないけれども……、終わってから、なんでもっと頑張れなかったのかと思うレースはしたくなかったし、今回はそう思っていないし……、初めて自分で自分をほめたいと思います」
出典: FM FUKUOKA
これは、1996年、アトランタオリンピックで女子マラソンの有森裕子選手が、銅メダルを獲得した後に発した名言だ。
特に最後の「自分で自分をほめたいと思う。」というシーンは視聴者の胸を打った。
こうしてみてみると、オリンピックでは特に選手の名言が多く誕生している。
陸上競技に限らず、幅広い分野で数多くの名言が2週間ちょっとの間に生まれるというのは、4年に1度というオリンピックの特殊性、そして、4年間、過酷な練習に耐え、国の代表としての地位をつかみ、更には世界と戦ったアスリートのロマンが宿っているからだろう。
次回、東京オリンピック出場を公言している選手もいれば、今回限り、とする選手もいる。
やはり、それだけ過酷であり、アスリートにとっての集大成がオリンピックなのだ。
このように、努力を重ねてきたアスリートが結果を出した際に思わず発した一言には、何物にも代えがたい輝きがある。
その一言一言を噛みしめながら、次の名言の誕生を心待ちにしつつ、オリンピックを観戦するのも一興ではないだろうか。