過去には箱根駅伝4連覇を達成したことがある
順天堂大の初優勝は第42回大会(1966年)で、ここから65回大会(89年)まで4連覇を含む8回の優勝を飾り、常にトップ5以内に入る強豪校でした。
このほかにも、75回(99年)から78回(2002年)までは優勝と2位を繰り返す活躍を見せています。しかし、83回大会(07年)に優勝した翌84回は5区で無念の途中棄権となって以降、85回は19位、87?88回は出場権も獲得できずに低迷を迎えてしまいました。しかし、88回(11年)に箱根に戻って以降は再び5回連続出場を果たしています。
「山の神」登場、逆転優勝のイメージが強い順天堂大学
順天堂大といえば、逆転優勝のイメージが強い方も多いでしょう。近年の箱根駅伝において、下位スタートからの逆転優勝のイメージを植え付けたのは今井正人選手の影響が大きいといえます。
圧倒的な山上りの強さから「山の神」と名付けられた今井選手は、83回大会(07年)は主将として臨みました。レース序盤の遅れが響いて4区を5位でタスキを受けた時点では、1位の東海大との差は4分09秒差でしたが、16キロ時点で首位に立ち、さらに1分42秒もの差をつけて往路優勝。今井選手の登場以降、箱根駅伝の勝敗は5区に左右されるといってもおかしくない状況になっています。
2016年の箱根駅伝は総合6位
2016年における順天堂の箱根駅伝の成績にも触れておきましょう。総合成績は6位(11時間11分24)。1位の青山学院大とは約18分もの差がついています。5位以上を獲得した区間は4つ(2、4、7、10区)、二桁順位と低迷した区間は5つ(1、3、6、8、9区)と波のある展開となりました。
注目したいのは4区で区間3位の走りを見せて10位から6位に押し上げた栃木渡選手(2年)と、最終10区で作田直也選手(3年)が区間2位となり9位から6位まで上げてシード権を確かなものにしました。成績が芳しくない選手を好調な選手がカバーする理想的な配置と言えるでしょう。
箱根駅伝の経験者は7人、うち2年以上の経験者は4人
2017年の箱根駅伝を占う上で、重要な「経験者」についても確認しておきましょう。16年のメンバーは4年生が3人、3年生が5人、2年生が1人、1年生1人とややベテラン寄りの布陣となりました。ここから卒業した4年生を抜くと経験者は7人。このうち、2年以上の経験者は4人と半数以上で、このメンバーが17年大会の軸を担うことになりそうです。
しかし、経験者の多くは4年生であり、若手の台頭が寂しいという印象も受けます。
順天堂大学のチームの中心は塩尻和也選手
とはいえ、チームの中心となるのはベテランの高学年ではなく2年の塩尻和也選手となるでしょう。2016年の箱根駅伝ではルーキーながら2区を任されて区間5位の力走を見せており、今後の成長が楽しみな選手です。チーム内での成績も1万メートルの自己ベストは最も良く(28分32秒85)、今年度(2016年8月現在)も記録会ではチームで唯一の28分台を出しています。
また、16年大会で10区2位と好走した作田選手は自己ベストは29分台後半とふるわないものの、本番での勝負強さが17年大会でも発揮できるか注目しましょう。
まとめ
順天堂は2017年の箱根駅伝では、高学年が中心の布陣となりそうですが、若手のエースの伸びとベテランの走りが融合すれば16年以上の結果も期待できるでしょう。
以上「順天堂大学の2017年箱根駅伝を徹底的に分析してみた!」でした。