早稲田大学は2016年までの5年間で常に箱根でトップ5入り
早稲田大は2011年に復路で逆転し18年ぶりの総合優勝を飾っています。そして近年(12~16年)の成績を確認すると、4、5、4、5、4位とトップ5以内はキープして安定した実力は発揮できているようです。しかし、新興勢力の青山学院大、2000年代後半から急激に力をつけてきた東洋大、2000年前後から常にトップ3に食い込んでいる駒沢大には及ばず、優勝に向けてさらなる上積みが求められています。
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箱根駅伝ファンの方へ。 2000年代前半から続いた低迷期を脱して10年シーズンに学生駅伝3冠となった早稲田大学。 本記事ではチームメンバーを分析し、優勝へ食い込むことができるか検証したいと思います。
早稲田大は2011年に復路で逆転し18年ぶりの総合優勝を飾っています。そして近年(12~16年)の成績を確認すると、4、5、4、5、4位とトップ5以内はキープして安定した実力は発揮できているようです。しかし、新興勢力の青山学院大、2000年代後半から急激に力をつけてきた東洋大、2000年前後から常にトップ3に食い込んでいる駒沢大には及ばず、優勝に向けてさらなる上積みが求められています。
続いて、優勝タイムの比較です。2011年の早稲田大の優勝時は11時間を切るタイム(10時間59分51秒)でした(当時、11時間を切っていたのは1994年の山梨学院大の10時間59分13秒のみ)。17年ぶりに11時間を切るタイムで優勝したものの、12年以降は5年間で約10分も優勝タイムが縮まりました(最速は青山学院大の10時間49分27秒)。
もはや10時間50分台前半で優勝するのは当たり前の時代となり、上位はここ数年でかつてないほどハイレベルな闘いをしていることがわかります。
今度は2016年大会について見てみましょう。早稲田大のゴールタイムは11時間07分54秒。2010年前後までであれば優勝も狙えるタイムではありましたが、この年は青山学院が10時間53分25秒で1区から独走で完全優勝しました。青山学院大との差は約13分半、2位の東洋大とは7分差、3位の駒沢大とは4分差です。早稲田は往路で2区での遅れが特に目立ち(区間17位)、復路でも7区で6位から11位(区間14位)へと大きく順位を落としています。
2016年の箱根経験者がどれだけ残っているのかを調べると、10区間中7人でした(2年連続で出場したのは3人)。このうち、区間5位以上の成績を残している選手は4人。
特に9区を走った井戸浩貴選手(当時3年)は区間賞を獲得する快走を見せているので、17年大会ではチームの軸になることが予想されます。また、4区で4位だった永山博基選手は1年生での快走だったこともあり(1位と37秒差)、さらなる伸びも期待できるでしょう。武田凛太郎選手も2年連続で区間5位と安定した成績を残しています。
最後にチーム全体の1万メートル平均タイム(自己最高記録の上位16人)を調べます。平均タイムは2016年4月で29分11秒85、6月末では29分10秒73、8月現在は29分08秒62と少しずつ底上げはできているものの、1位の青山学院大は28分50秒69と依然差は開いたままです。16年の関東インカレでは、5000メートルで平和真選手が13分50秒08の2位で日大期待の留学生ランナーのパトリック・マゼンゲ・ワンブィ選手に迫るタイムを記録しています。
ハーフマラソンにおいても、井戸浩貴選手は山梨学院大の留学生ドミニク・ニャイロ選手に28秒差の2位と期待が持てる成績を残しています。
早稲田大は着実にチーム力の底上げに成功しているものの、青山学院大との差はまだまだ開いているといえます。優勝を語るのは現実的ではないかもしれませんが東洋、駒沢などのライバルに迫ることは可能なので、チーム力でさらなる上位進出に期待しましょう。
以上「2011年の再現へ!早稲田大学の2017年箱根駅伝を予測」でした。