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総合力で3連覇なるか!青山学院大学の2017年箱根駅伝を分析

2016 10/3 15:52
駅伝
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Photo by Denis Rozhnovsky/Shutterstock.com

箱根駅伝ファンの方へ!
箱根に彗星のごとく現れ2015、16年と箱根駅伝を連覇した青山学院大学の3連覇に期待している方も多いのではないでしょうか。
本記事では現状の戦力を徹底的に分析し、その可能性について詳しく紹介していきます。

箱根駅伝初参戦は1965年の「最下位」であった青山学院大学

青山学院大学が初めて箱根駅伝の本戦に参加したのは第41回大会(1965年)のことです。予選会を3位で通過したものの、出場15校のうち14位。
連続出場は52回大会(1976年)まで12回に上りますが、52回大会ではゴールまであと150メートルのところで選手が脱水症状で倒れて病院に搬送。体調不良をごまかしながら走りましたが、悔やみきれない無念の棄権を招いてしまい、それ以降は長きに渡って青山学院大は箱根の舞台から遠ざかってしまいました。

陸上競技部に原監督が就任、青山学院大学が大改革

しかし、青山学院大は2004年に陸上競技部監督に就任した原晋氏によって大きな改革が起こりました。陸上の名門である母校の世羅高校や中京大中京高から選手を獲得したことで徐々に戦力が整い、85回大会(2008年)に33年ぶりの箱根駅伝出場を果たします。
ここからさらに戦力を底上げして86回大会は総合8位、87回は往路16位から復路5位まで巻き返す走りで総合9位と頭角を現し始めます。12年には全日本大学駅伝を予選落ちする憂き目も見ましたが、これをバネに学生3大駅伝の一つ「出雲駅伝」で初優勝。これが15、16年の箱根駅伝連覇へとつながっていきました。

青山学院大学の先進的トレーニングと自主性を重んじる組織づくり

青山学院大学が急成長を遂げた理由は、ただ有力選手が揃っているだけではありません。原監督は強豪校にありがちな精神論に基づいた指導ではなく、現代科学に基づいたトレーニングを実践。
一流アスリートを指導するフィジカルコーチを招き、筋トレではなく体のしなりを生む「バイアストレーニング」を導入したり、監督の言葉ではなく自分で目標を立てる雰囲気づくりを重視することによってチームの風通しや活性化を図った結果が、躍進を生んでいます。

2015年の箱根駅伝は前人未到の10時間49分台

青山学院大が初優勝した91回大会(2015年)の総合タイムは10時間49分27秒と、箱根駅伝史上初の10時間50分を切る前人未到の記録を打ち立てました。92回大会(16年)も前年より約4分遅いタイムでしたが、1区から最終10区まで一度もトップを譲ることのない正真正銘の完全優勝を果たしました。
2位の東洋大との差は約7分(11時間36秒)で、16年の出走メンバーも6人残りますから実力を出し切れば17年も独壇場となる可能性は十分あります。

青山学院大学の1万メートル上位者の平均タイムも28分台

1万メートル上位16人の平均タイムは28分50秒69と、全大学の中で唯一28分台へと突入しています。自己最高が28分23秒40の一色恭志選手(4年)を始め、28分台の記録を持つ選手が6人もいます(16年8月現在)。
現時点では28分台が11人もいた15年11月の記録会にはまだ及びませんが、東洋大と駒大の4人を上回っています。個人記録では駒沢大の中谷圭祐選手(28分17秒56)や東洋大の櫻岡駿選手(28分22秒97)には及ばないものの、チームの総合力では青山学院大が一歩リードしている状況です。

まとめ

個人記録では東洋大や駒沢大の有力選手が上をいくものの、チーム力では依然青山学院大が有利でしょう。青学が秋の1万メートル記録でどれほど仕上げてくるのかが箱根駅伝の勝敗を握る最大の焦点となりそうです。

以上「総合力で3連覇なるか!青山学院大学の2017年箱根駅伝を分析」でした。