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アメリカンフットボール日本一決定戦「ライスボウル」 今大会は勝率10割同士の対決に

マラソン
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正月三が日のスポーツイベントと言えば、ニューイヤー駅伝、箱根駅伝、サッカー天皇杯決勝とあるが、アメリカンフットボールの日本一を決める大会もあるのをご存じだろうか。

 その名はライスボウル。毎年1月3日に行われる大会である。

 本場のアメリカでチャンピオンを決める大会はスーパーボウルと呼ばれ、全米では全スポーツの中で一番人気のあるスポーツイベントである。ライスボウルはスーパーボウルの日本版ではあるが、日本でのアメリカンフットボールの知名度があまり高くないこともあり、世間への認知度は低いかもしれない。ただ、今大会で71回目を迎える、伝統ある大会である(日本一を決めるようになったのは、1984年の37大会以降)。

 仕組みとしては、大学日本一と社会人日本一が戦うようになっている。

 大学生は、大学日本一を決める「甲子園ボウル」の勝者が出場。社会人は、社会人のトップを決める「ジャパンエックスボウル」の勝者がライスボウルに駒を進める。

 今年は2年ぶり3度目の優勝を狙う富士通フロンティアーズと、27年ぶり5度目の頂点を目指す日本大フェニックスの顔合わせになった。

かつての日本大を知る富士通のヘッドコーチ

 12月19日には、両チームの記者会見が行われた。その中で富士通の藤田智ヘッドコーチはこう語った。

 「ライスボウルという素晴らしい場で試合ができることを非常に光栄と思っています」。そして、こう続けた。

 「日大のイメージは強くて、速くて、うまかった。目指すべきチームであり、あこがれのチームでもありました。今回は思い切り戦いたいです」

   通常、社会人の方が大学生よりも力があるから、藤田ヘッドコーチの言葉はお世辞っぽく聞こえるかもしれないが、あながちそうではない。

 藤田ヘッドコーチは京都大出身で、司令塔のクオーターバック(QB)だった。その当時、学生最強だったのが、日本大だった。

 今回、日本大はライスボウルに27年ぶりの出場となるが、アメリカンフットボールの歴史において、日本大の存在は偉大だ。かつて、学生アメリカンフットボール界を牽引したのは、東の日本大、西の関西学院大だった。日本大の赤いユニフォームは恐れられ、チームを率いる篠竹幹夫監督(故人)はカリスマ的存在だった。パス攻撃を繰り出す、「ショットガン」と呼ばれるフォーメーションを導入し、他校を圧倒した。富士通の藤田ヘッドコーチは、そのころの日本大の力を痛いほど知っている。だから、日本大に対し、「あこがれのチーム」という言葉を何度も使ったのだ。

「レベルが違う」と日本大監督

日本大の内田正人監督は、久しぶりの出場にも浮かれることなく、冷静に相手チームについて語った。

 「富士通のアメリカ人選手にはレベルの違いがあり、ただ事ではない」
 「ちょっとけた違いかなというのが正直なところ。(富士通の)一部の選手は高校時代から見ているが、本当に良く伸びていて大人のフットボールをやっている」

 内田監督の言葉通り、戦力で見れば、富士通に大きく分がある。

 富士通は、ジャパンエックスボウル決勝で、IBMビッグブルーを63―23で圧倒。その得点から見ても分かるように、圧倒的な攻撃力を持つ。

 司令塔のQBはアメリカ出身で192センチのコービー・キャメロン。パスを受けるワイドレシーバー(WR)には、ジャパンエックスボウルMVPの中村輝晃クラークがいる。そして何より、QBを守る攻撃ラインが強力だ。

1年生QBが面白い日本大

一方の日本大は、勢いにかける。WR林裕嗣、ランニングバック(RB)の宋旻宰、QBの林大希ら、攻撃の要が1年生。その中ででも注目されるのはQBの林だ。

 1年生ながら日本大のエース背番号である「10」を背負う。肩も強い上に、自らも走れる。甲子園ボウルではパスで126ヤード、ランで113ヤードを稼ぎ、史上初めて1年生で年間最優秀選手(ミルズ杯)と甲子園ボウル最優秀選手に選ばれた。

 大阪出身のQB林は、名門の関大一高でアメリカンフットボールをしていたが、進級できずに2年生から大正高に編入。だが、チームは弱く、一度も勝てなかったという異色の経歴の持ち主である。

 若いチームだからこそ、内田監督は言う。「一戦一戦勉強させてもらった。その結果が甲子園ボウルの優勝だと思っている」

 まだ、発展途上というわけだ。

勝率10割対決

今大会の両チーム、実は過去のライスボウルで一度も負けていない。富士通は2戦2勝、日本大は4戦4勝。初めて黒星を喫するのはどっちになるだろうか。

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