まさかの逆転が起きた「メドウランズの奇跡」
今回紹介する「メドウランズの奇跡」は、1978年に行われたニューヨーク・ジャイアンツとフィラデルフィア・イーグルスの戦いで起こったゲーム及び試合終了間際のプレーを指している。
ボールを守ったまま時間が経てば勝利が確定するという状況下にありながら、ボールを渡しかねない危険なプレーを選択したジャイアンツ側。その後すぐにボールを奪われて26ヤードのリターンTDを挙げられてしまい、衝撃的な逆転負けを喫してしまったという、その衝撃的ともいえる内容が多くの人に奇跡として見られるようになったものだ。
待っておけばよかったのだが……
この試合は残り35秒の段階でジャイアンツが5点差をリードしている状態であり、イーグルスはタッチダウン以外逆転をすることができない状況だった。
それに加えて攻撃権はジャイアンツにあったため、膝をついて時間を経過させるプレーであるニーダウンを行って試合が終わるのを待っていれば必然的にジャイアンツが勝利するという展開だったのだ。
そのような状況だったこともあり、イーグルスのファンも敗戦を確信して観ている人ばかりだった。
ランプレーの選択が奇跡を呼んだ
そのような状況だったのだが、ジャイアンツの戦術指示を行う立場にあったボブ・ギブソン氏はランプレーという通常の動きをとることを選択する。
26ヤードの距離からのタッチダウンという可能性はかなり低かったのだが、ジャイアンツのジョー・ピサーチック選手のファンブルによってイーグルスのハーマン・エドワーズ選手にボールを奪われると、なんとそのままタッチダウンされてしまったのだ。
ジャイアンツは5点差をひっくり返されてしまい、最悪の敗戦を喫してしまった。
なぜランプレーを選択したのか
今回の奇跡の要因となったのは、ランプレーを選択したギブソン氏に起因することは大きいのだが、そのような選択をした理由として、ニーダウンをしている状態の選手にタックルを仕掛けてくるという暗黙を了解を破ったプレーをされることへの懸念があったのではと言われている。
アメフトはタックルで怪我をしてしまうということが多々あるので、タッチダウンがほぼ不可能という状況ということもあり、このような選択をとったのかもしれない。
しかし、これにより確実だった勝利を手放してしまい、本末転倒ともいえる結果をもたらしてしまった。
奇跡の余波
大きな衝撃を与えることになったメドウランズの奇跡だが、その翌日にギブソン氏が解任されたことも大きな話題になった。
確実な勝利をわざわざ渡してしまったということもあり、チームとしても途中解任という大きな決断をすることになったのだ。
その後のギブソン氏がアメリカンフットボールの指導者になることができなかったとことからも、この奇跡を引き起こす要因になった判断の余波があまりにも大きかったことを物語っているといえるだろう。
まとめ
多くの人が盛り上がる奇跡のプレーは、それから何年も語られれていくことになる。
アメフトに限らず、スポーツの歴史における大きな1ページになるプレーや試合を、これからも注目してチェックしていきたい。