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2016年「高校BIG4」の現在地 今井達也が出世頭、すでに引退した選手も

2024 3/10 11:00SPAIA編集部
西武の今井達也,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

作新学院を優勝に導き「BIG3」に割り込んだ今井達也

アマチュア球界で実力が拮抗した同い年の選手が複数いると「BIG3」「四天王」などと呼ばれることがある。特にドラフト前に注目度が高まるのは、プロ入り後の活躍を期待されるからに他ならない。

しかし、BIG3や四天王の野球人生は得てしてアマチュア時代の評価通りには進まない。2016年に「高校BIG4」と呼ばれたのが履正社・寺島成輝、横浜・藤平尚真、花咲徳栄・高橋昂也、作新学院・今井達也の4人だった。

2016年夏の甲子園では2回戦で横浜と履正社が激突。藤平は先発せず2回途中から登板したが履正社打線を抑えきれず、5-1で寺島に軍配が上がった。しかし、その履正社も続く3回戦で常総学院に敗退した。

一方、花咲徳栄と作新学院は3回戦で対戦。高橋昂也は4回から登板したが、序盤に5点を奪った作新学院が6-2で勝利を収めた。勢いに乗った作新はその後も勝ち上がり、決勝で北海を下して54年ぶりの全国制覇。当初は寺島、藤平、高橋の「BIG3」と呼ばれていたが、計616球を投げた作新のエース今井達也が割り込む形で「BIG4」を形成した。

秋のドラフト会議では、創価大・田中正義に5球団競合。外れ1位でも桜美林大・佐々木千隼に5球団競合したが、寺島はヤクルト、藤平は楽天、今井は西武が単独1位指名し、高橋は広島から2位指名を受けた。

甲子園を沸かせた4人はプロでどのような実績を残しているだろうか。改めて振り返ってみたい。

藤平尚真はプロ通算10勝、寺島成輝は引退

2016年ドラフト組は入団8年目。高卒なら今年26歳になる。ここまでの数字だけで見れば、「BIG4」で最も実績を残しているのは今井だ。2年目の2016年に5勝を挙げると、2019年に7勝、2023年には初の2桁となる10勝をマークした。今季は自身初の開幕投手にも内定している。

今井に比べると、他の3人は苦しんでいる。藤平はルーキーイヤーから3勝を挙げ、2年目も4勝したが、それ以降は勝てなくなり、2023年も2勝どまり。「19」だった背番号も「46」に変更した。プロ通算10勝16敗の成績は、高校時代の輝きに比べると物足りないと言わざるを得ない。

寺島は2020年7月7日の中日戦で6番手として登板しプロ初勝利を挙げたが、2022年限りで引退。キレのいいストレートは高く評価されていた左腕もプロでは結果を残せず、誰よりも本人が無念だっただろう。

高橋は2018年6月28日の巨人戦でプロ初勝利を挙げたが、2019年2月に左肘を手術。2020年9月に実戦復帰し、2021年は15試合登板で5勝をマークしたものの、ここ2年は一軍登板なし。今年は勝負のシーズンと言える。

そのほかの同期生では、広島新庄・堀瑞輝が日本ハム1位で入団し、218試合登板で13勝16敗8セーブ70ホールド。高卒以外でも明治大・柳裕也(現中日)、東京ガス・山岡泰輔(現オリックス)、神奈川大・濵口遥大(現DeNA)、中京学院大・吉川尚輝(現巨人)、白鴎大・大山悠輔(現阪神)らが1位指名でプロ入りし、活躍している。

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