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【小倉記念】条件替わりで一変の可能性!ヴェロックスの復活に期待 参考レース分析からの注目馬は?

2021 8/12 06:00坂上明大
2021年小倉記念の参考レース,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

「成長と復調を感じる一戦」

1965年に創設された小倉記念は小倉競馬を代表する重賞。直線平坦ながら非常にタフなコースレイアウトに加え、ハンデ戦という難解な一戦。また、サマー2000シリーズ第3戦という側面も持ち、地力、適性、状態などさまざまな要素が絡み合うレースといえるだろう。

【エプソムC】
ラチ沿いの芝の傷みが目立ち前日は外差しがよく決まっていたが、当日は内目を空けた競馬が多く、外々を回る馬には距離ロスが大き過ぎる競馬が続いた。本レースも1~6着馬は4コーナー「最内~中」を通過。外不利。ペースはエアアルマスが先手を取り35.3-34.9-34.9。ワンペースの競馬でタフさが求められる展開でもあった。

3着馬ファルコニアは出負け気味のスタートで後方ラチ沿いからの競馬。僅かに空いた内々から徐々にポジションを上げ、直線入り口では先頭を射程圏に入れる。上位2頭には末脚で劣ったが、発馬のリカバリーに脚を使ったことを加味すれば能力差は感じられない。レース前からテンションが高く気性面での前進は必要だが、晩成血統らしく身体面の成長は十分に感じられる一戦であった。

4着馬ヴェロックスは中団馬群で脚をタメ、直線は馬群の内をつく形。なかなか外に持ち出すことができないなか、ファルコニアにクビ差まで迫った点は評価できる。綺麗な馬場状態で高いパフォーマンスを発揮してきた馬だけに、開幕週の小倉記念で一変の可能性もありそうだ。

6着馬ヒュミドールは好スタートを切ったが、前半は後方で折り合いに専念。直線に向いてヴェロックスの外から追い上げるも、同馬にも伸び負けて6着に終わった。少々消極的な競馬で前進の余地はありそうだが、ヴェロックスとの比較では分が悪いか。

「内有利のトラックバイアス」

2021七夕賞の展開/馬場バイアス,ⒸSPAIA


【七夕賞】
日~金曜で67.0mm、土曜1.0mm、日曜8.5mmと雨の影響を強く受けた一週間。馬場状態は土日ともに稍重で、特に本レース時は非常に重たいコンディションであった。ただ、内側の傷みは進まず、土日ともに「内有利」のトラックバイアス。上位馬のほとんどが4角「最内~内」を通過しており、外を回った馬にはかなり厳しい競馬となった。ペースはロザムールが掛かり気味に先手を取り、小回りコースらしい坦々とした流れ。タフさと機動力が求められた一戦であった。

3着馬ショウナンバルディは中団内目で脚をタメ、直線はじわじわと伸びて勝ち馬から0.2秒差。トラックバイアス通りの競馬であり、ハンデ差も加味すると高い評価はできないか。とはいえ、機動力は申し分なく、今回も立ち回りの上手さで上位争いに食い込みたい。

11着馬アールスターはショウナンバルディの後ろにつけたが、直線もさほど伸びず後方のまま。見せ場をつくれず。

「三冠上位馬の復活に期待」

エプソムCでそれぞれ成長と復調を感じさせたファルコニアとヴェロックスが中心。特にヴェロックスは開幕週の綺麗な馬場での一変に要注意だ。穴馬候補はグランスピード。混戦の不知火Sは外有利のトラックバイアスを逃げて最内の進路取り。3走前にファルコニアに完敗も、今回3キロのハンデ差なら巻き返しの余地ありか。

注目馬:ファルコニア、ヴェロックス、グランスピード

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。



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