チーム1位の29得点
チャンピオンシップ取りへ意気高いシーズンとなるはずだった2021-22シーズンの大阪エヴェッサたが、蓋を開けてみれば毎週末1勝1敗の3勝3敗と今イチ波に乗れない試合が続いている。そんな中、注目されているのが10月17日の試合で3ポイントシュート5回成功、37点獲得と大暴れしたディージェイ・ニュービルだ。
信州ブレイブウォリアーズを迎えて開催した10月23日の試合でも早速シュートとバスケットカウントで得点を挙げたニュービルに続き、合田怜や木下誠、ザック・モーアの3ポイントシュートで加点。高評価の信州のディフェンスを前に、第1Qだけで28点を挙げた。
第2Qはやや重い展開となったものの、ペリー・エリスが3ポイントシュートを沈め、アイラ・ブラウンやカイル・ハントがゴール前シュートを決めた結果、前半を46対50で終了。
モーアは第3Qに入っても3ポイントシュートを決めチームに貢献したが、ニュービルは前半を通してチーム2位の8点止まり。だが動きが良くなった後半では3ポイントを含むシュートを連発し、第4Qでは怒涛の得点ラッシュを浴びせ、終わってみればチーム1位の29得点とエースの名にふさわしい活躍ぶり。ちなみに、チーム2位は11点獲得のブラウンで、ハントとエリスは10点だった。
敗北の原因
ニュービルのフリースローにより、試合残り37.4秒の時点では82対81で大阪が1点リードしていた。このまま終わっていれば、間違いなくニュービルがヒーローだっただろう。しかし信州のアンソニー・マクヘンリーの逆転シュートに続き、岡田侑大がファウルゲームでフリースローを成功させた結果、82対85となり大阪は敗れた。
竹内譲次をパワーフォワードで先発起用し、ブラウンをスモールフォワードで使うビッグラインナップも成功。そして左肩亜脱臼の手術により一時は離脱していたものの、第2節から復帰し出場していた合田も好調だった。天日謙作ヘッドコーチの采配も理にかなっているように思われる。では、負けの原因は何だったのか。
おそらく、ニュービルが前半沈黙したことで1試合通して活躍できなかったことが点差を広げられず、最後で信州に勝ち越しを許す原因になったのだろう。チームを波に乗せるには、すべての選手をコンスタントに活躍させることが必要なのかもしれない。
ニュービルの活躍を勝利につなげるためには?
例えば、スタメンの5人は変えずニュービルと合田の役割を入れ替える。ニュービルをポイントガードに集中させれば、ボールに絡む度合いが増え活躍にムラが出にくくなるからだ。
一方、元々シューティングガードとしてもプレーしている合田と木下は、シューターとしての能力も高い。ニュービルの良さを消さぬよう細心の注意が必要になるものの、ニュービルのような選手に爆発してもらうためには、このような起用もいいのではないだろうか。
また、エリエット・ドンリーとのポジション争いに完勝したと思われるモーアをブラウンに代え、先発起用するのも良いのかもしれない。若いモーアには、ベテランに欠けるアクティブさを求めることができる。竹内をリバウンダーとして外さないためにも、若い力でこのポジションを支える必要がある。
シーズンは長く、今はまだ序盤戦だ。今後向上してゆくであろう新加入選手とのコンビネーションに一喜一憂の必要はないが、徐々に開き始めている上位チームとのゲーム差は今のうちに手を打つ必要がある。ニュービルの活躍を確実に戦績と結びつけるために、大阪はどのような策を講じるだろうか。
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